塩田には、国・県・市の指定文化財が62件もあります。
これらの文化財について、上田市教育委員会の「上田市の文化財」(上田市マルチメディア情報センター制作)にリンクして、地域ごとにご紹介します。
※掲載順:建造物・石造物・史跡・天然記念物・名勝・書跡・絵画・彫刻・工芸品・古文書・無形民俗文化財
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※「指定区分」で省略されているものの正式名称は、次のとおりです。
・「国重文」 国指定重要文化財
・「天然記」 天然記念物
・「有形民」 有形民俗文化財
・「無形民」 無形民俗文化財
1 東塩田地域
文化財名 | 所在地 | 指定区分 | 文化財の特徴 | |
① | 西光寺阿弥陀堂 | 中組 | 県宝 建造物 | 建立は室町時代後期とみられる。堂内には三体の阿弥陀像を安置する。 |
② | 生島足島神社本殿内殿 | 下之郷 | 県宝 建造物 | 池の中の島に造られた「池心の宮」。1939年に造られた本殿の中に室町時代の内殿があり、ご神体の土が祀られている |
③ | 生島足島神社摂社諏訪社本殿及び門 | 下之郷 | 県宝 建造物 | 本殿と向き合いに建てられており、祭神は諏訪神。本殿と門は1610年に上田藩主真田信之が建てた。 |
④ | 旧宣教師館 | 下之郷 | 市指定 建造物 | 1904年にキリスト教の女性宣教師住宅として上田城跡近くに建てられたものを移設。 |
⑤ | 柳沢安曽甚太夫石造五輪塔 | 柳沢 | 市指定 石造物 | 102cmと76cmの2体の五輪塔。地元では塩田北条氏の家臣「安曽甚太夫」の墓といわれている。 |
⑥ | 奈良尾石造多層塔 | 奈良尾 | 市指定 石造物 | 総高237cmの7層の石造塔。塩田北条氏2代国時が元寇で戦死した武士の供養のため建てたといわれる。 |
⑦ | 奈良尾大姥坐像 | 奈良尾 | 市指定 石造物 | 目と口を大きく見開いた石造の老婆像。室町時代、干ばつのとき雨乞いをしたところ雨が降ったので、感謝の意から造ったとされる。 |
⑧ | 他田塚古墳 | 下之郷 | 市指定 史跡 | 東山南麓斜面にある円墳。直径は約18m。古代豪族「他田氏」に関係した古墳と言われる。築かれたのは7世紀前半頃と想定。 |
⑨ | 塚穴原第一号古墳 | 下之郷 | 市指定 史跡 | 他田塚古墳から東に約50mにある円墳。直径が約21mとこの地域最大級の大きさ。築かれたのは6世紀後半と想定。 |
⑩ | 徳邦和尚火定の跡 | 奈良尾 | 市指定 史跡 | 江戸時代、大円寺9代徳邦和尚が当時はやった「はしか」の収束を願って自ら焼死(火定)し、それを称えた墓とお堂が建てられた。 |
⑪ | 東馬焼窯跡 | 平井寺 | 市指定 史跡 | 江戸時代末期から明治初期にかけて、林東馬によって焼かれた「東馬焼」の窯跡。 |
⑫ | 大六のケヤキ | 石神 | 市指定 天然記 | 樹齢約8百年。樹高約30mで県下最大のケヤキ。名前の由来は、根元に「大六天」が祀られていることから。 |
⑬ | 鴻の巣 | 下組 | 市指定 名勝 | 幅約190m、高さ約50mの白っぽいマーブル模様の崖。1400万年前に礫岩や砂岩が隆起したもの。 |
⑭ | 板絵富士の巻狩り | 奈良尾 | 市指定 絵画 | 江戸時代に富士嶽神社に奉納された絵馬。源頼朝が富士の裾野でイノシシやウサギなどの狩り(巻き狩)を行った様子が描かれる。 |
⑮ | 銅造菩薩立像 | 下之郷 | 国重文 彫刻 | 7世紀後半の白鳳時代のものと考えられている高さ37cmの菩薩立像。長福寺の「信州夢殿」に収められている。 |
⑯ | 木造狛犬 | 下之郷 | 市指定 彫刻 | 生島足島神社の狛犬。2体とも高さ54cmの大型。室町時代前半の製作とみられる。 |
⑰ | 鉄製湯釜 | 下之郷 | 市指定 工芸品 | 生島足島神社にある神事に用いる6個の湯釜。豪族などが寄進したと思われる。 |
⑱ | 生島足島神社文書 | 下之郷 | 国重文 古文書 | 生島足島神社に残されている室町時代末期から江戸時代初期の94通の古文書。 |
武田信玄武将起請文 | 武田信玄が配下の武将を生島足島神社に集め自分への忠誠を誓わせた83通の血判状。 | |||
武田信玄願文 | 武田信玄が上杉謙信との川中島の戦いに勝利するよう生島足島神社に願った文書。 | |||
武田信玄安堵状 | 武田信玄が塩田城を落とした後、生島足島神社の土地や祭りは今までどおり認める旨の書状を神官らに渡した。 | |||
丸子良存寄進状 | 戦国時代、武将の丸子良存が戦に出ている息子の無事を生島足島神社に願った寄進状。 | |||
壱叶・三かわ連署願文 | 二人の武将の妻が武田信玄に従って出陣した夫の無事を生島足島神社に願った文書。 | |||
真田昌幸朱印状 | 真田真幸が生島足島神社で使う柳の木を塩田等で伐ることを許した書付。 | |||
平盛幸願文 | 戦国時代の武将平盛幸が自分の身体が良くなったら土地を寄進する旨生島足島神社に出した願文。 | |||
小幡信繁願文 | 真田真幸の武将小幡信繫が一族の武運長久等を生島足島神社に願った文書。 | |||
工藤美作守等定書案 | 戦国時代、生島足島神社の神主等が神官らの仕えのきまりを書いた書面の写し書き。 | |||
真田信幸寄進状 | 上田城主となった真田信幸(信之)が生島足島神社に土地を寄進する旨記した寄進状。 | |||
真田信幸朱印状 | 真田信幸が生島足島神社に社殿造営費用のための土地を預け置くことを記した文書。 | |||
下之郷供僧社人目安案 | 仙石氏が藩主になった翌年、生島足島神社の供僧らが領地を増やしてほしい旨奉行所に願い出た文書。 | |||
⑲ | 西光寺宛武田信玄朱印状 | 中組 | 市指定 古文書 | 武田信玄が西光寺から椀型の器を贈られ、普請役等を免除する旨申し伝えた文書。 |
⑳ | 下之郷三頭獅子 | 下之郷 | 市指定 無形民 | 生島足島神社で疫病退散を祈る夏の祇園祭行事として、7月第四日曜日に行われる三頭の獅子らによる獅子舞。 |
2 中塩田地域
文化財名 | 所在地 | 指定区分 | 文化財の特徴 | |
① | 保野塩野神社廻り舞台 | 保野 | 市指定 建造物 | 1874年(明治7年)に建てられた廻り舞台。瓦葺屋根の切妻造り二階建て。 |
② | 舞田石造金王五輪塔 | 舞田 | 県宝 石造物 | 高さ212cm。鎌倉時代の建立で、県下最大・最古の様式。渋谷土佐入道昌順の墓塔と伝えられている。 |
③ | 五加八幡社石燈篭 | 五加 | 市指定 石造物 | 1898年(明治31年)建立。高さ9mで県下最大。勝海舟の書が刻まれている。 |
④ | 佐久間象山書五反幟 | 五加 | 市指定 書跡 | 五加八幡社の一対の幟。長さ12m。佐久間象山が1862年に筆をふるった書。 |
⑤ | 木造狛犬 | 保野 | 市指定 彫刻 | 保野塩野神社の狛犬。高さ約34cm。南北朝時代から室町時代初期のもの。 |
⑥ | 保野の祇園祭 | 保野 | 市指定 無形民 | 保野塩野神社で4百年続く祇園祭。ささら踊りと三頭獅子が行われる。 |
3 西塩田地域
文化財名 | 所在地 | 指定区分 | 文化財の特徴 | |
① | 前山寺三重塔 | 東前山 | 国重文 建造物 | 室町時代末期の建立とされる。二・三層目に縁や手すり(勾欄)がないが、すっきりとしているので「未完成の完成塔」と呼ばれる。 |
② | 中禅寺薬師堂 | 西前山 | 国重文 建造物 | 平安末期から鎌倉初期の建立とされ、中部日本最古の木造建築物。中尊寺金色堂と同じ方三間阿弥陀堂形式の宝形造り。 |
③ | 前山塩野神社拝殿及び本殿 | 前山 | 市指定 建造物 | 拝殿・本殿とも18世紀半ばの建立。拝殿は県内では珍しい二階建。本殿の上り龍・下り龍、象などの彫刻が美しい。 |
④ | 中禅寺石造五輪塔 | 西前山 | 市指定 石造物 | 総高155cmで上田市で三番目の高さ。鎌倉時代の建立とされ、有力者のために建てられたと考えられている。 |
⑤ | 王子塚古墳 | 新町 | 市指定 史跡 | 氷上王子神社境内にある。5世紀中頃から6世紀前半に築かれたと推定され、上から見るとホタテ貝に似ている「帆立貝型古墳」。 |
⑥ | 皇子塚古墳 | 手塚 | 市指定 史跡 | 古墳時代後期に築かれたと推定される円墳。塩田平を一望できる高台にあり、有力な豪族の墓と考えられている。 |
⑦ | 塩田城跡 | 東前山 | 県史跡 | 弘法山の北山麓に南北約700m、東西180mの範囲で郭(くるわ)等が配置。室町時代に築かれた城と考えられている。 |
⑧ | 前山寺参道並木 | 東前山 | 市指定 天然記 | 黒門から薬医門にかけての参道両側にマツやケヤキの大木が並ぶ。 |
⑨ | 紙本花鳥人物屏風 | 東前山 | 市指定 絵画 | 龍光院にある六曲一雙の屏風。花鳥八幅・人物四幅。江戸時代中期の狩野派の絵師で西前山出身の狩野永琳の作。 |
⑩ | 木造薬師如来坐像附木造神将立像 | 西前山 | 国重文 彫刻 | 平安時代末期から鎌倉時代初期に造られたとみられる薬師如来坐像と、本来十二体あるもののうち一体のみ残された神将像。 |
⑪ | 木造金剛力士上像 | 西前山 | 市指定 彫刻 | 中禅寺にあり、平安末期から鎌倉初期の製作とみられる。信州最古の金剛力士像。 |
⑫ | 木造獅子頭 | 西前山 | 市指定 彫刻 | 前山塩野神社の二面の獅子頭。一面は室町前半、もう一面は室町後半の作と推定。 |
⑬ | 木造鬼板 | 手塚 | 市指定 彫刻 | 手塚八幡社の鬼面。魔よけの面として社殿に取り付けられていたと考えられる。室町時代後期の作と推定。 |
⑭ | 中禅寺鰐口 | 西前山 | 市指定 工芸品 | お寺の本堂の軒下に懸けられ、参拝の人が鳴らした鰐口。銅製で室町時代中期に作られたと推定。 |
⑮ | 塩野神社宛武田信玄朱印状 | 前山 | 市指定 古文書 | 武田信玄が前山塩野神社の神主にあてて、土地を寄進することを定めて出した文書。 |
⑯ | 前山寺宛武田勝頼朱印状 | 東前山 | 市指定 古文書 | 武田勝頼が前山寺に出した朱印状。現在の所有地を認め、新たな土地も寄進する旨記す。 |
⑰ | 野倉惣帳 | 野倉 | 市指定 古文書 | 戦国時代末期に野倉の住民が真田氏に出した報告書。田畑の広さや石高を記載。 |
⑱ | 氷上王子神社太神楽獅子舞 | 新町 | 市指定 無形民 | 約300年前からの神楽。口・目・鼻の大きい特徴的な面の獅子舞や、鳥さし、万才など江戸時代からの祭りが伝わる。 |
⑲ | 前山三頭獅子 | 前山 | 市指定 無形民 | 毎年7月の前山塩野神社の祇園祭で踊られる三頭獅子。二頭の雄獅子が一頭の雌獅子を取り合う様子を表している。 |
4 別所温泉地域
文化財名 | 所在地 | 指定区分 | 文化財の特徴 | |
① | 安楽寺三重塔 | 別所温泉 | 国宝 建造物 | 日本で唯一の八角の三重塔。創建は1290年代と推定。典型的な禅宗様の建築様式。内部に大日如来像が安置されている。 |
② | 安楽寺経蔵・八角輪蔵 | 別所温泉 | 市指定 建造物 | 経典の蔵で、内部に八角形の輪蔵があり黄檗版の一切経が納められている。白壁の土蔵造りで1800年の建立。 |
③ | 別所神社本殿 | 別所温泉 | 市指定 建造物 | 1878年までは「熊野神社」と呼ばれていた別所神社。本殿は江戸時代後期の1788年の建立と考えられている。 |
④ | 常楽寺本堂 | 別所温泉 | 市指定 建造物 | 天台宗別格本山で、北向観音の別当寺。本尊は妙観察智阿弥陀如来坐像。江戸時代中期後半の天台・真言系の本堂としては県内屈指の規模。 |
⑤ | 常楽寺石造多宝塔 | 別所温泉 | 国重文 石造物 | 平安初め、火坑が開いて紫煙が上り現在の北向観音の桂の木に留まって、そこに観音様が見えたという。その火坑跡に木造多宝塔を建立。焼失後、鎌倉時代に今の石造塔を建立。 |
⑥ | 愛染カツラ | 別所温泉 | 市指定 天然記 | 平安初め、観音様が留まったというカツラの木。樹高約22m。境内の愛染堂と川口松太郎の小説・映画の題名からその名がついた。 |
⑦ | 絹本愛染明王画像 | 別所温泉 | 市指定 絵画 | 常楽寺が所蔵する色彩が鮮やかで多彩な愛染明王画像。 |
⑧ | 絹本聖観世音画像 | 別所温泉 | 市指定 絵画 | 常楽寺が所蔵。元住職半田孝海大僧正が比叡山延暦寺から拝領したと伝えられている。 |
⑨ | 絹本藤娘と鬼の念仏 | 別所温泉 | 市指定 絵画 | 常楽寺所蔵。美女に身を寄せられ照れている僧侶姿の鬼を描く。 |
⑩ | 板絵三浦屋の図 | 別所温泉 | 国重文 絵画 | 常楽寺所蔵の絵馬。江戸時代中期に海野町住人が北向観音に願をかけ成就したことのお礼として奉納したもの。 |
⑪ | 板絵踊り念仏と六歌仙 | 別所温泉 | 市指定 絵画 | 常楽寺所蔵の絵馬。踊念仏と六歌仙の二面を一組としている。江戸時代中期に北向観音に奉納されたもの。 |
⑫ | 板絵劉備檀渓渡河の図 | 別所温泉 | 市指定 絵画 | 常楽寺所蔵の板絵。三国志の一場面を描いたもの。江戸時代後期に上田原町の住人が北向観音に奉納したもの。 |
⑬ | 木造樵谷惟仙和尚坐像 | 別所温泉 | 国重文 彫刻 | 安楽寺境内の伝芳堂にある安楽寺開山・一世の樵谷惟仙和尚が椅子に座った等身大の像。 |
⑭ | 木造恵仁和尚坐像 | 別所温泉 | 国重文 彫刻 | 安楽寺境内の伝芳堂にあり、樵谷惟仙像と並ぶ安楽寺二世の幼牛恵仁和尚の像。 |
⑮ | 木造百万塔 | 別所温泉 | 市指定 工芸品 | 常楽寺所蔵。百万塔は8世紀後半に戦死者等の霊を鎮めるため造られた小塔で、法隆寺、東大寺などに安置された。この百万塔は、明治時代に法隆寺から常楽寺に譲られたもの。 |
⑯ | 黄菜版蔵経 | 別所温泉 | 市指定 古文書 | 安楽寺の経蔵にある黄檗宗の一切経。1800年に出版元の宝蔵院から購入したもの。 |
⑰ | 岳の幟 | 別所温泉 | 国選択 無形民 | 16世紀初めから行われている雨乞い行事。夫神岳頂上の九頭竜神をお詣りし、たくさんの竹竿に巻いた布を押し立て里に下り、三頭獅子やささら踊りと共に各所を回る。 |