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東塩田小学校の正面玄関の前に庭園があり、そこに大きな石がどん!と置かれています。子どもたちが「裏山」と呼んでいるようなのですが、盛土されたところに鎮座してます。
横2メートル、高さ1.7メートルほどの三角形をしていて、見ようによっては、角の取れたピラミッド、おにぎり、坐禅堂の壁に向かって坐る曹洞宗のお坊さんにとっては坐禅する人のシルエットに見えないこともない。
名前は「黄金石」(こがねいし)。
面白いエピソードがあります。
生島足島神社から東に行って大鳥居の先にあるのが「御旅所社」ですが、その向かいに「浅間池」というため池があります。昭和9年(1934年)に改修工事を行って今の名前になったのですが、その前は「大吹池」(おおふきいけ)という池でした。
その昔、デラボッチという超巨人がいて、大きな石を保福寺峠から須川に向かって投げました。ところが投げ損ねたのか途中の下之郷に落ちてしまい、その窪地が大吹池になったということです。
その落ちた石、それが黄金石なのですが、その後近くの畑に移されました。
そして、昭和38年(1963年)に小学校に贈られたそうです。「東塩田小学校百周年記念誌」に載っているとのこと。
ところで、黄金石には別のエピソードがあります。
令和3年(2021年)に当時の校長先生が講和で話された内容なのですが、この石、村人がどうしても動かせなかったところ、デラボッチが村人のために動かしてくれたということです。巨人が村人を助けてくれたという良い話。
超巨人の話は全国にあって、「だいだらぼっち」とか「でいだらぼっち」とか呼び名はいろいろありますが、いずれも大きいがゆえの伝説です。
塩田でも野倉地区にあって、「デイラボッチ」の足形が2カ所あるそうです。両方とも西の方に向かっているとのこと。デイラボッチが土を運んだ時、持っていたかごからざらざらとこぼれたのが「舞田山」になり、袂から落ちた土が夫神岳になったというもの。
東塩田小学校の3年生に黄金石の話をしたら、結構興味を持ってくれました。
この学校のお宝、これからも大切にしてくれるでしょう。(F森)