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塩田平は「信州の鎌倉」とも呼ばれ、古くからのお寺やお宮などがたくさんあり、石造物などの文化財の宝庫です。そんな文化財を少しずつ紹介していきます。
初回は、道祖神碑。道祖神は、石などを加工して碑を造り、集落の境界や道の辻などにお祀りして、村の外から悪いものが入ってこないように、あるいは子孫繁栄、旅の安全などの神様として古くから信仰されています。
塩田でも村々にそれぞれ何体かの道祖神がお祀りされていて、塩田全体では170体以上あります。
各地区では、毎年1月頃「道祖神祭り」が行われます。子どもたちが主役のお祭りで、地区によってやり方は異なりますが、よく行われているのは、道祖神の近くに小屋を建てて「猿田彦命」(さるたひこのみこと)をお祀りし、夜に地区の人たちがお参りに行くと、子どもたちが接待してくれるというものです。猿田彦命は、天孫降臨で天照大神の孫のニニギノミコトが高天原から天降ったとき道案内をした土着の神様で、旅や道の神とされているので、道祖神の時もお祀りされるところが多いようです。
安曇野市の穂高では、夫婦道祖神が多いので有名ですが、塩田にも8体ほどあって、野倉の夫婦道祖神は多くの人が訪れます。二人とも微笑んでいて、女性の方が男性の手を握っているのが珍しいです。仲睦まじいんでしょうね。羨ましい。
170体ほどの道祖神の多くは「道祖神」の文字が彫られた文字碑がほとんどで、野倉の「穴平の道祖神」は、高さが2mもあり、篆書体(てんしょたい)で文字が書かれています。「祖」の字のしめすへんが右側に来ているのが面白いですね。
また、字も彫ってなくて自然石そのままのものもあり、中野の「和手の道祖神」は、白い鉢巻が巻かれたような石が屋根付きのお社に鎮座してます。(F森)