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塩田平のため池群。農林水産省の「全国ため池百選」に選ばれていますし、今年は日本遺産の構成文化財に指定されました。
塩田平土地改良区に登録されているため池は41か所。この地域の主なため池と言っていいでしょう。個人で使うための小さな池もあるのですが、今、塩田全体でいくつあるかは不明です。でも、江戸時代は300を超えていたと言います。
塩田は、年間降水量が全国平均の半分くらい。加えて、山が浅いので大きな川がなく、米作りに使う水が少ないのです。そこで、昔からため池を造って水を貯め、田植えなど水をたくさん必要とするときにそれを流す。それでも日照りの時は水不足の時は多かったようですが。
ため池は、田んぼに水を供給するだけでなく、田園風景の大きな要素だったり、貴重な動植物の生息する場所でもあるのです。
そんなため池は、写真撮影の格好の被写体。数多くの写真が撮られて、コンテストなどにも出展されてきています。
そして、このたび、上田市内にお住まいの方にドローンで撮影した写真を塩田まちづくり協議会に送っていただきました。
上空から見るため池は、地上から撮ったものとはちょっと違う角度から撮られているため、とても新鮮です。池の形もよくわかりますし、周りの様子も見えます。
そこで、送っていただいた写真の中から、何回かに分けてその写真とため池の概要をこのブログで紹介していきたいと思います。
初回は「砂原池」。塩田の一番東、砂原峠のすぐ手前にある池です。砂原峠と言えば、鎌倉時代に使われた「鎌倉道」という、鎌倉と塩田を結ぶ幹線道路が通っていた所です。砂原池は江戸時代半ばの1714年に造られたのですが、鎌倉時代には、池のあるところを鎌倉道が通っていたのだそうです。峠の向こうは木曽義仲が挙兵した場所。
池の貯水量は44,000トン。塩田のため池の中では中くらいの規模です。
ここで有名なのがトンボの「マダラヤンマ」。「空飛ぶ宝石」とも言われ、瑠璃色の体がとてもきれいです。国の準絶滅危惧種に指定され、上田市の天然記念物にもなっています。貴重な動植物が生息しているという、ため池の多様な価値を示すものでもありますね。(F森)