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満開の彼岸花と葺き替えが終わった薬師堂 中禅寺

前山にある中禅寺の彼岸花。お彼岸を過ぎてしまいましたが、10月に入って満開になりました。3千本もの花。枯山水の庭園の手前に見事な赤い色の花が咲き誇っています。
 数年前に西前山自治会と檀家の皆さんが球根を植えて育ててきたもの。すっかりこの時期の名物になりました。
 彼岸花は「曼殊沙華」(まんじゅしゃげ)とも言います。サンスクリット語で「天界に咲く花」という意味だそうです。そして、「おめでたいことが起こる兆しに赤い花が天から降ってくる」というようなことが仏教の経典に書かれているのだとか。
そのおめでたいこと。中禅寺に二つあるのです。
一つは、薬師堂の茅葺の屋根の葺き替えが完了したこと。
今から800年以上も前の平安時代末期から鎌倉時代初期に造られたという木造のお堂。国の重要文化財です。「方三間の阿弥陀堂形式」という建築方式で、平泉の金色堂と同じです。
茅葺ですから、葺き替えると言っても、材料も人でも、そして経費も調達するのはたいへんです。4年前に屋根の4面のうち、西側と北側を葺き替え、今年は南と東。これで4面すべてが新しくなりました。
 年数がたった茅も古刹の雰囲気があっていいのですけど、新しい茅が敷き詰められた屋根を見ると、「やっぱりいいなあ!」。中に安置されている薬師如来坐像も喜んでいるかも。
そしてもう一つのいいこと。住職が代わったのです。「代わった」というより「跡継ぎになるべき人が跡をとってくれた」のが良いこと。前の住職の息子さんが36代目の住職に。40年も務めた前住職にはたいへんご苦労様でした。
で、この良いこと二つ。今月にお堂の落慶式と新住職の入山式が行われます。正式なお披露目の儀式です。
平安時代に創建されたといわれる中禅寺。連綿と続くお寺の歴史の中で、これからもずっと引き継いでいかなければならないお堂とお寺を守る住職。期待してます!(F森)

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