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道祖神紹介の後編です。
塩田にある道祖神碑の数は、約170。その多くは文字が彫られているものです。「道祖神」とか「猿田彦大神」と書かれています。その数120。また、自然石だけで何も彫られていないものも50基近くあります。
そして今回ご紹介するのが、男女の姿が描かれている道祖神碑、「夫婦道祖神」です。。塩田全体で10基に満たないのですが、それぞれ特徴があってとてもほほ笑ましいものばかりです。ここでは3つ紹介。
「野倉の夫婦道祖神」は有名ですね。目を細めて笑みをたたえているところが何ともかわいい。
家庭円満、子宝や縁結びの神として遠方からおいでになる方も多いです。また、毎年2月上旬の祭日には、わら馬に餅俵を付けて参拝することも昔から行われていたようで、五穀豊穣の願いも託されています。
造られたのは明治時代のようです。
それよりもっと古いのが「奈良尾の夫婦道祖神」。造られた時期がはっきりしていて、江戸時代中頃の1777年11月ということです。
集会所の前にあって、男神の手には徳利。女神の持つ盃に酒を注ごうとしているのです。祝言の様子なのでしょう。まさに縁結びの神様。
そして、同様に古いのが「平井寺の夫婦道祖神」です。
昭和61年(1986年)に平井寺トンネルの取付道路の工事中に掘り出されたもので、その昔洪水で流されてしまったもののようです。地区では流された後、新しい道祖神を造ったのですが、それが1784年。ですから、掘り出された道祖神はもっと古くに造られたものなのです。
この像、立っている二人の両脇に徳利と盃が彫られています。写真ではよくは見えないですけど。やっぱり祝言の様子なのです。
道祖神碑は、もともと村に悪いものが入ってこないように立てられたものですが、夫婦道祖神を見ていると、縁結びであったり、子宝だったり、お米がたくさんとれる様にとか、いろいろな願い事をかなえてほしいという人びとの思いが籠っているのですね。(F森)