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厳しい坐禅の修行 曹洞宗のお寺

 曹洞宗といえば、道元禅師が開祖の禅宗の宗派です。修行の中心は「坐禅」。道元禅師は「只管打坐」(しかんたざ)と言っておられます。「只管」とは「ただひたすら」という意味。ただひたすら坐禅を組むということですね。坐禅以外でも、掃除をする、料理を作る、托鉢をするなどなどすべてが修行です。「お寺に酒やにおいの強い野菜は入れてはいけない」という意味の「不許葷酒入山門」(葷酒山門に入るを許さず)と書かれた碑が別所温泉の安楽寺の門の横に建っています。
こういう厳しい修行をする曹洞宗のお寺が塩田には6つあります。「安楽寺」と東前山の「龍光院」、奈良尾の「大圓寺」、保野の「龍昌院」には住職が住んでおられます。八木沢の「法輪寺」と中野の「龍澤寺」の住職は、それぞれ安楽寺の副住職と龍光院の住職が兼ねています。
このうち、安楽寺と龍光院には「選仏場」という建物があります。「仏を選ぶ場所」。これが坐禅をする「坐禅堂」なのです。塩田中学の1年生が毎年10月に、5~6人くらいのグループに分かれて、自分たちでプランを立てて塩田の中を歩く行事があります。その中で結構多くのグループが安楽寺や龍光院で坐禅の体験をします。「足が痛い」「足がしびれた」というような感想もありますが、毎年なかなかの人気のようです。えらい!
 写真は、龍光院の選仏場です。入口に向かって左側に鐘がありますが、その下に板が下がっています。「木版」(もっぱん)というもの。坐禅や行事の時にこの木版を撞木でたたいて知らせます。板の真ん中がたたかれて色が変わっています。坐禅の始まりと終わりの合図は、その上にある鐘のようですが。
木版に書かれている文字。「白大衆」「生死事大」「無常迅速」「各宜醒覚」「慎勿放逸」
「白大衆」とは「大衆に申す」ということで次の4つを心得ろということでしょうか。生死は仏の一大事である そして時間は無常にして迅速に過ぎ去っていく それぞれこのことに目覚めて 無為にすごすとこのないように という戒めの言葉なのです。
坐禅をしていると、どうしても雑念が次から次に頭に浮かんできます。無念無想になれればよいのですが、そうはいかないのが現実。でも続けていくのが「修行」です。木版の言葉を心に刻みながら修行に励みましょう。そう、道元禅師の教えは、「何事も修行」なのです。(F森)

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