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「塩田平の文化財クイズ」の問題をもうちょっと掘り下げて解説するシリーズの5回目。
今回は、お寺の境内に咲くきれいな花に関するお話です。
クイズの問題。「カタクリの花が名所のお寺は、次のうちどこでしょうか?」
1 大圓寺 2 前山寺 3 安楽寺 4 長福寺
正解は1の「大圓寺」です。
大圓寺は、奈良尾地区の高台にある曹洞宗のお寺です。
このお寺に毎年4月ごろきれいな花を付けるのが「カタクリ」。本堂の裏手に群落があります。
カタクリは、ユリ科の花。球根から作られるのが片栗粉です。今はジャガイモから作られますが、かつてはカタクリが原料になっていて、だから名前は今もその名前がついています。
ここのカタクリは、大正時代に当時の住職が植えたのだそうで、100年以上たっているわけです。
お寺とかお宮っていうと、大木、古木が多いですね。塩田で代表的なのが「別所五木」。北向観音の愛染カツラと夫婦杉、安楽寺の高野槙、常楽寺の御船の松、そして大湯薬師堂のねじり紅葉です。そのほかにも、「大六のケヤキ」とか、前山寺や龍光院の「ケヤキ」など、目を見張るような直径の巨木や、300年前に「古い樹なので伐ってはいけない」とお達しが出たという樹齢も不明なくらい長生きの木もあります。
でも、花が境内を彩ってくれるところもたくさんあるのです。
大圓寺のカタクリは代表的ですが、前山寺にもカタクリがありますし、何といってもここの見どころは「藤」の花です。
「未完成の完成塔」と呼ばれる三重塔をバックに藤の花を写真に収める。毎年の恒例行事になっていますが、毎年見ててもその都度感激です。60年ほど前に当時の住職が松本在住の方から贈られたものだそうです。
そして、中禅寺の「彼岸花」。おひざ元である西前山自治会や檀家の皆さんが5年ほど前から植えてきたもの。5千本ほどもあります。
花は、咲いている期間が短く、いつ行っても見られるものではありません。だからこそ、その時期に行って、お寺の静かな雰囲気の中で、静かな心で花を愛でる。無心になれるときです。(F森)