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四国八十八所の霊場を信州の塩田で巡る その13 安楽寺

江戸時代の元禄の頃、四国霊場の仏像を塩田に勧請した札所を巡る旅。13回目は、別所温泉の「安楽寺」です。
 安楽寺といえば、国宝「八角三重塔」。鎌倉時代に建てられた日本で唯一現存する八角の塔。写真の2枚目ですが、今回はこの説明は抜きにして、四国霊場にまつわるお宝の紹介です。
塩田の札所では、元禄時代、四国八十八所の仏像を京都の仏師に頼んで彫ってもらい、塩田の各お寺に安置したのですが、この安楽寺には、1番札所の長福寺と並んで最も数の多い8体の仏様が蔵められました。仏像を勧請した発起人が下之郷の人なので、そこにある長福寺が多いのは当然かと思いますが、安楽寺は、やっぱり江戸時代でも塩田の中で格の高いお寺だったんでしょう。
 1枚目の写真は、下のお坊さんたちが目立ってしまっていますが、江戸時代の仏像は、その上の段に並ぶ7体です。
ちなみに前に並ぶのは、十六羅漢像。お釈迦様のお弟子さんの中でも優秀だった方々。同じ曹洞宗のお寺である前山の「龍光院」にも十六羅漢を祀る「羅漢堂」があります。

 

 

 禅宗である曹洞宗は、開祖道元禅師のときから戒律に厳しいところ。妻帯もダメだったし、酒なんかもってのほか。今はだいぶ変わったのでしょうが、修行が厳しいのは続いているのでしょう。写真の3枚目。北向観音から安楽寺に向かう道に建つ山門の手前にある石碑。彫ってある文字は、見えづらいのですが「不許葷酒入山門」。匂いの強いにんにくやにらなどの野菜や酒は山門から入れてはいけないという戒め。龍光院にも「山門禁葷酒」の石碑が建っています。
八角三重塔以外にも見所たくさんの安楽寺。「観る」ということだけでなく、いろんなことを感じさせてくれるお寺です。(F森)

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