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真言宗のお寺、塩田には6つあります。下之郷の長福寺、中組の西光寺、東前山の前山寺、西前山の中禅寺、山田の満願寺に五加の真光寺。寺の数の多さでは曹洞宗と同じです。が、住職がほかのお寺の住職や副住職が兼ねている曹洞宗と比べ、6つすべてに住職が住んでいます。
そして、この6つのお寺は、すべて真言宗の中の「智山派」という宗派です。京都の智積院が総本山で、川崎大師や成田山新勝寺が大本山。
真言宗と言えば、大日如来と弘法大師がまず頭に浮かびます。
大日如来。太陽の光のように、あらゆる時代、場所にさまざまな姿で現れ、生きとし生けるものすべてを救うという仏様です。真言宗のお寺では、その像をご本尊にするところが多いです。総本山の智積院もそうですし、前山寺も本堂の奥に祀られています。
最初の写真は、その前山寺の本堂。中のご本尊は撮影できませんが、多くの末寺を持つお寺ですから、本堂は立派です。分厚い茅葺の屋根で、なかなかほかでは見かけない重厚感があります。その奥に大日如来。「金剛界」の大日如来で、「智拳印」といって、左手の人差し指を右手で握るという手の組み方をしています。
そして弘法大師。言わずと知れた真言宗の開祖 空海です。塩田のシンボル「独鈷山」。弘法大師がここに来て、谷の数を数えて「百に一つ足りない」ということで、高野山にお寺を建てたといういわれもあります。今の弘法山に密教の仏具である「独鈷」を埋めたので「独鈷山」という名前になったとも。独鈷山の谷が百あったら、真言宗の大本山がここにあったかもしれない! 塩田には、そこここにそんな大師の逸話がいくつもあります。
五加の真光寺には、その弘法大師の像が祀られています。本堂の横に「大師堂」があって、中に大師像が見えます。右手に持っているのは「独鈷」でしょうか? お顔は厳しい表情にも見えますが、衆生のために仏具を手に祈っておられるのでしょう。ありがたいことです。(F森)