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重要文化財を守る 中禅寺薬師堂の屋根葺き替え

西前山にある中禅寺と言えば、塩田にあるお寺の中でも最も古い時代にできたお寺の一つです。
 その昔、弘法大師が独鈷山の山頂に寺を創ったのが始まりと伝わっています。本堂が何度も焼けて、文書の記録が残ってはいないんですけど。
でも、ここの薬師堂は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて造られた、中部日本最古の木造建築物です。国の重要文化財。中にある薬師如来坐像も同じ頃造られたもので、同様に重要文化財に指定されています。
「阿弥陀堂形式」という造りの薬師堂。真上から見ると、「宝珠」という丸い球を頂点にして、同じ大きさの二等辺三角形が4つそれを囲んで正方形を作っています。どの方角から見ても同じ形に見えます。岩手県平泉の中尊寺金色堂と同じです。
屋根は茅葺。茅が分厚く重ねられた屋根ってカッコいいと思います。塩田でもなかなかお目にかかれません。前山寺の本堂もそうで、こちらの茅の厚さはすごいです。
いいんですけど、長年雨風に当たっていると、当然傷みます。葺き替えすれば良いのですけれど、今の時代、茅の入手や職人さんの確保、費用の捻出、たいへんです。
 中禅寺も、4年前に葺き替えをしました。でも、4面ある屋根のうちの半分だけ。北と西の面をやりました。そして今年、残りの東と南面の葺き替えが8月から行われています。
足場が組まれ、新しい茅が敷き詰められていきます。
東側のお堂正面はあいているので、中の薬師如来にお参りすることはできます。頭の所に養生のため布が掛けられていますけど。
 9月いっぱいには工事が終わる予定だとか。
薬師堂の前の参道もきれいにするようです。
10月には落慶の法要も行われます。
秋の紅葉の時期には、真っ赤なドウダンツツジをバックに写真を撮るのが今から楽しみです。(F森)

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