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前回は、弘法山の三十三観音を巡る山登りが厳しい修行だったと報告しましたが、またまた厳しい修行をしてしまいました。
「四国霊場塩田平札所めぐり」については、何度かレポートしました。
四国霊場八十八カ所のお寺と同じ仏像を造って塩田のお寺やお堂に安置したの札所を回ってお参りするもの。始まったのは、今から三百年以上前の江戸時代。一時途絶えましたが、仏像勧請3百年目の平成5年(1993年)に復活し、現在では、塩田仏教会によって26所の札所が設定され、札所めぐりが行われています。
これは、26の札所を三つのコース(東塩田、中塩田、西塩田・別所)に分けて、すべて歩くもの。春と秋にやっています。
11月16日に行われた西塩田・別所コースの様子を報告します。
朝、安楽寺をスタートです。本堂前で般若心経をみんなで唱えてから、先達である安楽寺の住職を先頭に参加者が後に続きます。
次は北向観音。本堂の中でご本尊千手観音菩薩にお参りし、般若心経。
札所めぐりは、歩いて札所に向かい、ご本尊にお参りした後、みんなで般若心経を唱えます。そして、御朱印をいただく方は、お寺の方に御朱印帳に印を押してもらうか、お寺の方がいない場合は、備付けの印を自分で押します。どこの札所でもこれの繰り返しです。
次は大湯薬師堂。そこから延々と坂を上って、野倉にある旧瑞光寺。今は寺がなく、資料館になっていますが、四国霊場の仏像が残っています。
坂を下って、手塚の無量寺。そして、山田の満願寺。十王堂があります。人が亡くなった後、地獄に行くか極楽に行くか裁判をする、閻魔大王はじめ十王や裁判について、住職の奥様が物語風に情感込めて語ってくれました。
新町の観音堂を回って、再び坂道を上って中禅寺。そして最後は龍光院です。
距離にして13km。上り下りがきつくて、上りの累積高低差は600メートルです。ちょっとした登山。終わればみんなへとへとです。でも、小学校1年生から70代まで、歩き通しましたよ。
札所めぐりに参加される方々の目的は様々のようです。純粋にお参りのため。そして、諸々の祈願成就、御朱印をもらう、あるいは歩くのを楽しむなどなど。
私はというと、お参りや塩田の文化財を勉強するということもあるのですが、札所をめぐる「過程」を楽しみたいということが一番です。
歩く、お参りする、般若心経を唱える。それで無心になれる、なんていうことはありませんが、歩くときは歩くこと、お経を唱えるときは唱えることに集中する。それが楽しみでもあり、また、修行の一つなのかとも思ってもいます。
最後に塩田まちづくり協議会のPRを一つ。
札所は住職のいないお堂もあり、中の仏像も拝めず、歴史も解説してくれる人がいません。そこで、そういったところの解説板を少しずつ設置しています。お堂を管理している地元の方や仏教会にもご協力いただいています。今回回った大湯薬師堂と野倉の旧瑞光寺も今年設置しましたし、来年度以降も順次やっていく予定です。(F森)