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今回ご紹介するのは、下之郷にある「生島足島神社」です。初詣や七五三などに限らず、一年中お参りする人が絶えない人気スポットです。諏訪大社と同じように7年目ごとに行われる「御柱祭」は、地域挙げての行事でとてもにぎやかです。
お祀りされているのは「生島」「足島」の2柱の神様。宮中にも祀られていて、日本国土を生成したとされる神様のお仲間です。
もうひとつの顔が「文化財の宝庫」です。生島足島神社は歴史が古く、いつ創建されたかは不明ですが、平安時代の10世紀頃出された朝廷の公文書「延喜式」には、諏訪大社などとともに信濃国では6つしかない「大社」に格付けされているので、それよりも相当前からあったことになります。
そんな歴史のあるお宮、国や県から指定されている文化財が多く、皆さんが参拝される本殿の中にある「内殿」は県宝に指定されています。一般の人が見ることができないのは残念ですが、旧本殿の建物で、平成3年(2001)に行われた調査によると、室町時代の16世紀前期から中期に建設されたと推定されているようです。この内殿の土間=土が御神体です。大地そのものなんですね御神体が。
また、本殿の向かいにあるのが「諏訪社」です。本殿と門が県宝です。本殿の創建は、江戸時代初期の慶長15年(1610)、大河ドラマ「真田丸」で大泉洋さんが演じた真田信之公が上田藩主の時に建てたもの。祀られているのは、諏訪大社と同じ建御名方富命(タケミナカタトミノミコト)と八坂刀売命(ヤサカノトメノミコト)に八重事代主命(ヤエコトシロヌシノミコト)。いわゆる諏訪系の神様です。
昔、建御名方富命が諏訪に向かう際に生島足島神社に立ち寄った時、生島神、足島神に御柱を奉ったのが「御柱祭」の起源ということですが、もうひとつ、御柱だけでなくお粥を差し上げたということだそうです。それが今に伝わる「御籠祭(おこもりさい)」。11月から4月にかけて、諏訪神が「御神橋」を渡って生島足島神社の本殿に移って留まり、1週間に1度生島・足島両神にお粥を献じるというもの。
お宮には、このほかにも文化財があって、県宝の「歌舞伎舞台」は、明治元年(1868)に建てられたと伝えられています。「回り舞台」や「せり」もあり、今は中も見ることができるようになっています。
また、多くの貴重な古文書があり、国の重要文化財に指定されています。「武田信玄願文」は、信玄が上杉謙信と川中島の戦いの前に必勝祈願したもの。信玄の配下の武将たちが血判を押して信玄への忠誠を誓った「起請文」は83通も残されています。これらは一般には公開されていませんが、歌舞伎舞台の中でコピーを見ることができます。
生島足島神社には、こうした貴重な文化財が多く残されていますので、お参りするだけでなく、こうした文化財を見ながら、お宮の古~い歴史を思い起こしてみるのも楽しいですよ。(F森)