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塩田の文化財 -10年振りのお祭り「塩田新町太々神楽」-

今回ご紹介するのは、新町にある氷上王子神社(ひかみおうじじんじゃ)で行われる「太々神楽」です。伝承によれば、18世紀半ばの宝暦年間に疫病が流行り、そのため獅子の舞で神を慰め奉るために行われたということで、300年近い歴史を持つ祭り。上田市の指定無形民俗文化財です。 太神楽といえば獅子舞が代表的な演目です。もともと悪魔祓いのために舞われた太神楽獅子ですが、余興的な演目もあわせて演じられることがあり、新町の神楽は現在も8演目が行われています。
今年、なんと10年ぶりで行われるということで10月13日に取材に行ってきました。千曲川が決壊したり、千曲川に架かる上田電鉄の鉄橋が崩れるなど長野県を始め東日本を中心に大きな被害が出た台風19号の去った直後、行われるかしら?と心配しつつお宮に行くと、準備万端でした。いつもは町内を周る「お練」があるのですが、それは中止してお宮での披露のみにしたとのこと。

 拝殿の前には「家内安全」「五穀豊穣」のほか「修善生洪福」の文字が。善を修めて洪福(こうふく)を生むということでしょう。五加にある五加八幡神社の石灯篭にも勝海舟の筆によるこの文字が彫られています。

 

 

 

 最初の演目、1枚目の写真で獅子が1頭で舞う「神神楽」の次は、小学生の女の子たち6人が演じる「鳥さし」。きっと、結構な時間練習したんでしょう、多くの観客の前でちょっと恥ずかしげな表情も最初はありましたが、しっかり演じられました。

 

 

 

 次は「二面」。獅子と天狗が闘う舞です。刀を持った天狗と対峙する獅子。緊張感のある演目です。天狗は飛んだり跳ねたりしますが、小さい穴しか開いていない面を被って踊るのですから難しそう。二人(?)の真剣勝負が続いたあと、太神楽ですから主役の獅子が勝つもんだと思っていたら、獅子が敗れてしまいました。

 

 

 4番目の演目は「おかめ」。「二面」と打って変わってユーモラスなもので、おかめさんと神主による掛け合いです。二人の掛け合いのあとはおかめさんによる舞も披露されます。
このあとも「三面」や「万才」「歌神楽」「和藤内」と演目が続くのですが、ご紹介するのはここまで。時間があればもっと取材できたのに゚(゚´Д`゚)゚残念です。
このお祭りは毎年行われるものではないですが、笛や太鼓などの方々も含め演じる人たちはかなり練習しているようです。本番とは別に「総練習」という全ての演目を行うものがあるということなので、それを是非通しで見てみたいものです。(F森)

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