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江戸時代の元禄の頃、四国霊場の仏像を塩田に勧請した札所を巡る旅。11回目は、番外札所の「温泉薬師堂」です。またの名を「大湯薬師堂」。別所温泉の外湯の一つ「大湯」の少し坂上にあります。
ここは札所なので、堂内の仏像に手を合わせるのですが、お堂の左手にある二つの木が特徴的で、まず目に付きます。
一つは「ねじれ紅葉」。幹が根元から縄のようにねじれた大木。樹齢も何が原因でねじれたかはわかっていないようですが、この霊木にお参りすると、ねじれ曲がった心が素直になると言われています。そういう人がお参りするかどうかは疑問ですが。
もう一つが「多羅葉の木(たらようのき)」。葉っぱが大きくて厚みがあるので、願い事を葉っぱに書くと良いらしい。葉の裏を傷つけると字が書けます。この木、そういうことでお寺にはたまにあるそうですが、「郵便局の木」でもあるとか。東京中央郵便局の前にも植えられているそうな。
ねじれ紅葉の霊木にお参りし、多羅葉の木に願い事を書いたら、お堂に参拝。ここは、薬師如来がご本尊。そのほか、薬師如来の脇侍(わきじ)の日光菩薩。残念ながらもうひとつの脇侍の月光菩薩はありません。お薬師さんの守り神である十二神将は全部そろっています。弘法大師像も横に安置されています。
この薬師堂が創建されたのは、鎌倉時代の弘安4年。西暦でいうと、今から740年ほど前の1281年。当時世界最強の国であった蒙古が日本に攻めてきた「元寇」。その2回目の「弘安の役」の年です。塩田の数あるお寺の中でも古い方ですね。
ここをお参りして、少し下ったところにある「大湯」でひと風呂浴びるのも良いでしょう。(F森)