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台風19号の大雨の影響で千曲川の堤防が削られ、上田電鉄別所線の赤い鉄橋が落ちて約2ヶ月。城下駅と上田駅間が今はまだ通れず代行バスです。でも、当初は下之郷から上田駅が代行バスだったのが、1駅間だけとなりました。また、再建への道筋も少しずつ見えてきました。
そして、なによりうれしいのは、再建を応援しようという人たちが多いことです。中でも、長野大学の学生が電車の中刷り広告の募集をして、今別所線の電車内に掲示され始めています。
その長野大学の学生の大先輩が今から50年ほど前の1970年代に、当時存続問題に揺れていた別所線を応援しようと歌を作りました。「マリオネット」というグループで、「別所線の電車に乗って」という曲です。別所線15駅の全てが歌の中に登場します。
その歌をCDに収め、それとあわせて、歌詞とともに可愛らしい絵が描かれた絵本を、もう20年前になりますが、「すろうらいふ別所線プロジェクト」というグループが出版しました。絵は「Mr.すずめ」こと杉本志津子さんが描き、別所線沿線の風景がとてもかわいらしいです。
歌の歌詞をちょっとご紹介。冒頭の写真がこの箇所の絵です。「別所線の電車に乗って 今日はちょいと出かけよう とても 天気がいいから 別所線の電車に乗って 今日はちょいと出かけよう 温泉まで ひと風呂あびに 千曲川の長い鉄橋をわたると そこは城下 上田の街はずれも 今は高級住宅街」
もうひとつ、歌と言えば、2004年に出された「別所線イメージソング」というのがあって、中には2曲。「夢み鉄道別所線」と「別所線牧歌」。コカリナ演奏で有名な黒坂黒太郎さんと矢口周美(かねみ)さんが作りました。黒坂さんは塩田のちょっと山手の前山の生まれで「前山寺」のすぐ近くです。
私が特に好きなのは「別所線牧歌」で、これにも沿線の様子が歌詞の中でたくさん出てきます。1番の歌詞「千曲の流れ 歌うせせらぎ 水色の街 走る山脈 広がる水田 りんごの畑 松茸の山 大学の駅 この里が好き この匂いが好き 小さな電車が好き 涙あふれるほど好き 不器用な風 流れているけど 耳をすませば レールの音」
塩田は自然も文化財も豊富な土地ですが、その大きな魅力の一つが、田園風景の中、独鈷山などの山並みを背景に、のどかに走る別所線だと思います。一日も早い復旧がみんなの願いです。
(F森)