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塩田平の文化財を紹介するシリーズ。塩田にある2つの「塩野神社」。前回の「前山」に続き今回は「保野」の塩野神社です。
中塩田の保野にあるお宮を中心に行われる「祇園祭」は上田市の無形文化財に指定されています。このお宮の祭神は、塩垂津彦命(しおたれつひこのみこと)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)、建御名方命(たけみなかたのみこと)なんですが、このうち素戔嗚尊は武田信玄が京都の八坂神社から勧請した神様です。八坂神社といえば、日本三大祭りのひとつで、山鉾巡行が有名ですね。牛頭天王(ごずてんのう)という疫病神を追い払う神様で、素戔嗚尊と習合というか一体となっている方なのですが、その神様を塩野神社から保野の集落内にある市神にお遷りいただくのが祭りの幕開け。お祭り自体も武田信玄が始めたという話もあります。
江戸時代まで、保野では市があって、三と八の日の月6回定期的に物の売り買いが行われていました。塩田では、ここと、もうひとつの塩野神社がある前山、別所温泉と3箇所に市がありました。交易が盛んな所だったんですね。保野は、別所温泉と善光寺に通じる「善光寺道」の交差するところで、賑やかだったんでしょう。
お祭りでは、三頭で舞う三頭獅子や子どもたちのささら踊りなどが行われます。
保野の前山神社には、もう一つ上田市指定の文化財があって、「廻り舞台」です。ほかにも、ヒノキの一本づくりでできている狛犬だとか見所はたくさんあります。
また、ここには、いろいろなお宮が合祀されていて、皇大神宮や蚕影神社、子安社、鼠除韓猫明神、白山神社等など。明治時代、小さなお宮を大きなところに合祀するよう政府から命じられたことがあり、それに伴うことかはわかりませんが、このお宮が地域の中心的な存在だったことは確かです。(F森)