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保野地区にある「加古池」(かこいけ)。貯水量が5,800トンと、塩田のため池の中では小さな方の部類に入りますが、ここでしか見られないものがあります。
それが、写真の蓮の花。地元の人は「はす池」とも呼ぶそうで、昔から蓮の栽培が行われていたようです。
以前は稲刈り後にレンコン掘りをして食べていたんだとか。太平洋戦争の戦中、戦後には青年団が掘り出し、販売していたこともありました。ただ、今は、掘ることもなくなったということで、池の土が粘土質で掘りにくいのと、スーパーなどで手軽に手に入るようになったということがあるとのことです。
でも、レンコンは掘らなくても、池いっぱいに咲く花は見事です。毎年、7月中旬から8月にかけて道行く人たちの目を楽しませてくれます。
蓮の花は、別所温泉の安楽寺や信濃国分寺の池に咲くものが有名です。座っている仏像を見ると、その下には蓮の花の形をした台座があるのをよく見ますし、極楽には蓮の花が咲き乱れているなんて言われるので、仏教に関係があるからこうしたお寺で栽培されているのかもしれません(機能性食品のコマーシャル的に言うと「個人的な感想」ですが)。
そうしたことを思いながらきれいな白い蓮の花を眺めていると、お寺や仏教とはなんの関係もないようなため池でも、なんとなく心が落ち着くような気がして、居心地がよい池だなあと感じます。(F森)