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塩田平のため池 -中野前池 馬頭観音の伝説-

 塩田平にたくさんあるため池を紹介するシリーズ。2回目は「中野前池」です。
別所線の中野駅の西側、別所線の線路が池のすぐ北を走っています。
貯水量は約4万トン。塩田の41の主なため池の中で多い方に入る貯水量ですが、田んぼが多い中野地区では足りない。ということで「中野前池の三杯池」と言われて、中野前池の3倍の水の量がないといけなかったそうです。したがって、山田池から水をもらうなどしてなんとかやりくりしていたようです。

 

 その中野前池の北側の堤の上に「馬頭観音」が祀られています。「馬頭観世音」の文字が彫られていたのですが、石が欠けて「馬」の文字が見えなくなっています。
この馬頭観音には、面白いエピソードがあります。
その昔、弘法大師が塩田に来て、独鈷山のふもとにあった柳の大木で2つの仏像を彫りました。根元の方で地蔵を、先の方で薬師如来を彫り、地蔵は手塚地区へ、薬師如来は中野地区に安置。これを「元木の地蔵」と「末木の薬師」といい、それぞれが南北に向き合って祀られています。
ある時、中野前池の土手道を馬に乗った人が通ったところ、馬が「ヒヒーン」と鳴いて暴れだし、馬も人もけがをしてしまったそうです。

 

 どうやら、元木の地蔵と末木の薬師の目線を切ってしまったのがいけなかったようです。そこで、中野の人たちはそこに馬頭観音をお祀りしたとのこと。
今、元木の地蔵は手塚の無量寺に、末木の薬師は中野の薬師堂に大切に安置され、そして、その間に馬頭観音が祀られていて、両地区の仲の良い関係がずっと続いているのです。(F森)

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