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塩田平でもいよいよ田植えが少しずつ始まってきました。
それぞれのため池にも水が貯められ、田んぼに流す準備もできています。冬の間は池から水が抜かれるところも多いのですが、やっぱり水がいっぱいになっているため池は絵になります。
塩田平はため池の多いところ。降水量が少なく、また、アルプスなんかと違って山が浅く、小さな川しかないため、稲作に使うには池に水を貯めて量を確保するしかなかったのです。
そんな塩田平のため池、江戸時代には300を超えていたとも言いますが、今も数多くの池がありまして、塩田平土地改良区に登録されているため池が現在41池あり、それ以外にも、正確な数は不明ですが個人持ちの池もあります。
土地改良区に登録されている41のすべての池の貯水量を合計すると300万トン。1軒の家で年間使う水の量が300トンくらいだそうなので、1万軒が1年間で使う量を貯められるということです。塩田中の家の水を十分賄えるのです。家で使ったとしたらですけど。
それらのため池が造られたり増築されたのは、ほとんどが江戸時代です。当時「上田藩5万石」のうち塩田で3万石の穀倉地帯。それを支えてくれていたのです。
そして、「塩田平のため池群」は、2010年には「全国ため池百選」に選ばれ、昨年には「日本遺産」に認定されている「信州上田・塩田平」の構成文化財に指定されました。
そんな塩田平のため池の築造の歴史やため池の構造、個々のため池の概要、はたまた池に生息する動植物についてなど、塩田平のため池のすべてといっていい情報が満載の本ができました。 「塩田平のため池群」というタイトル。138ページもあり、カラー写真も数多く載せられています。
発行元は「塩田平のため池を愛する会」で、編集は「塩田平文化財保護協会」。大学の先生方に寄稿いただいたものもありますが、ほとんどは専門の研究者ではない地元の人たちが調査し、文章をまとめたのです。「手作り感」満載! でも、内容は充実してます。
販売はされていないのですが、上田市内の図書館にはありますし、「塩田平文化財保護協会」の会員になれば1冊無料でもらえます。年会費1000円は必要ですけど。よかったらどうぞ。(F森)