ブログ

「信州上田・塩田平検定」に出る(?)文化財その5 長福寺

今年初めて行われる「日本遺産 信州上田・塩田平検定」で出題されるかもしれない文化財の紹介シリーズその5です。
検定についての詳しいことはこちら → https://www.city.ueda.nagano.jp/site/nihonisan/81695.html
今回は、下之郷にある「長福寺」です。
 ここは、「塩田平札所めぐり」の一番札所です。
この札所めぐり、始まったのは江戸時代です。四国霊場八十八所は当時も人気だったようですが、塩田からは遠い。ならばということで、四国と同じ八十八体の仏像を勧請して、塩田の各所に安置しようと、下之郷の庄屋の発案で、塩田中の庄屋が寄付を集め、京都の仏師に彫ってもらって21か所の寺やお堂に安置しました。元禄6年(1693年)のことです。
一時は途絶えてしまったのですが、関係者の努力で札所めぐりが復活し、今は春と秋に3つのコースを歩いて巡る催しが毎年行われています。
その一番札所の長福寺。よく知られているのが「銅造菩薩立像」です。日本遺産の構成文化財。写真は、検定のテキスト「信州上田・塩田平の文化財ガイドブック」からお借りしました。
高さ40cmにも満たないのですが、「アルカイックスマイル」という気品のある微笑みのお顔。7世紀後半の白鳳時代の作と考えられていて、塩田の数多くの仏像の中でも最も古いものなのです。
この像は、もともと小布施町の旧家に伝わっていたものが昭和13年(1938年)に長福寺に移されました。
「夢殿観音」とも呼ばれますが、観音様は額に「化仏」(けぶつ)という阿弥陀如来の小さな像を付けているのですが、長福寺のにはそれがない。だから正式には「菩薩立像」。
もうひとつ「お戻り観音」とも言われます。小布施町の時に1回、ここに来て2回盗まれ、そのたびに無事に戻ってきたので着いた名。最後は平成7年(1995年)に盗まれ、10年以上もたった平成18年(2006年)に戻ってきました。4度目はないようにしてほしいですね。
 そして、夢殿観音が安置されている建物が「信州夢殿」です。昭和17年(1942年)に建立されました。
奈良にある法隆寺の夢殿の正確に二分の一の寸法で、しかも柱や瓦も同じに造られています。有名な救世観音が安置されている法隆寺夢殿。小布施から来た「観音様」を安置するために、それを模したのでしょうかね。
信州夢殿は、外観はいつでも見ることができますが、中の菩薩立像は普段は見ることができません。年に何回か特別公開があり、また、予約すれば、その気品ある微笑みを拝むことができますよ。(F森)

関連記事

  1. 塩田平に関する「検定」が行われます① 事前学習バスツアーのお知ら…
  2. 長野大学生が以前発行した塩田や大学の歴史を紐解いた小冊子を改訂
  3. 塩田の山  絶壁の岩を巡る遊歩道 東山
  4. 中禅寺薬師如来坐像の特別公開
  5. 別所温泉ハレterraceのジェラートアイス じょうしょう気流に…
  6. パノラマラインからパノラマ写真
  7. 殿さまも通った「北向観世音道」前編
  8. がんばれ別所線! 日本酒で盛り上げる

最近のブログ記事

PAGE TOP