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「第2回塩田平伝統芸能大会」で披露されたお囃子と神楽の紹介の2回目。
今回は、「石神の大神楽」です。
この地区の神楽が今の形になったのは明治になってからだそうです。当時は養蚕が盛んで、その繁栄や、霜による桑の被害がないように祈願するため、「蚕影社」(こかげしゃ)に神楽を奉納することになったそうです。
そのためには、神楽舞と囃子方の習得をしなければならないので、筑波山神社に人を派遣して勉強してきたとのこと。
そして今は、昭和50年(1975年)にできた保存会によって伝統が受けつがれてきています。
神楽は、全部で5種類の舞があります。どれもお獅子が出てきます。
最初は「幌舞」。二人で獅子を操ります。獅子の左側にいる囃子方は、笛と太鼓。始められた当初は三味線もあったそうですが、今は2つ。
次は、写真にはないですが「神神楽」。一人で舞います。天地四方を清めるためのものだとか。
そして同じ一人舞ですが、「矢車」。田植のしぐさで五穀豊穣を祈ります。田植のしぐさということで、腰を曲げたり、両手も鈴などを持ってずっと動かしっぱなしなので、かなりの重労働。
次に登場するのは、長襦袢に女の人の着物を着て、刀を持った獅子と数人の村人。村人みんなで獅子を囃したてます。「面神楽」というもの。なんで獅子は女性の恰好なんでしょう?
そして最後は、二人で操る獅子の首を村人が取ってしまうというもの。その名も「面取り」。天地四方を清めたり、田植えのしぐさをしたりとご苦労いただきましたが、最後は首を取られてしまいます。それぞれ獅子が違うという設定なのでしょうかね。
養蚕の繁栄を祈願して始まったこの神楽。太平洋戦争が終わって養蚕は衰退してしまいます。それとともにこの神楽も途絶えてしまったそうです。でも、保存会ができ、後継者難に陥りながらも、子どもたちを中心に復興しました。
今は、その子どもたちが大人になり、保存会の中心メンバーとなって、次の世代に伝えていく道筋もついてきたようです。よかった!(F森)