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ドローンで撮影された塩田のため池を見るシリーズの4回目です。
今回は、中塩田にある小島大池です。塩田平のまさに「平」のところにある大きな池。貯水量は10万2千トン。例によって、年間300トンの水を使う一般家庭で見ると、300軒以上のお宅の水を賄える計算ですね。
できたのは、江戸時代初期の1618年。まだ真田信之公が藩主だった頃。塩田の中でも相当早くできた池なんです。
この池、なんといっても「イノシシ騒動」で有名です。
江戸時代、5代将軍の徳川綱吉公が出した「生類憐みの令」って、皆さんご存じの犬やその他の生き物を殺したり傷つけたら、死刑を含む厳罰に処せられた命令です。
そんな頃の話。7月の暑い日、小島のお百姓さんたちが、何やら騒がしい音がするので外に出てみると、下之郷の人たちに追われた何頭かのイノシシが田んぼの中を走り回っています。
田植えの終わったばかりの田んぼ。荒らされたらたまったものではありません。鍬を手に追い払おうと田んぼに入った時、突然の鉄砲の音。追っかけてきた下之郷の人が打ったのです。その音に驚いたイノシシたちは小島大池に飛び込んだ!
イノシシは水の中でアップアップしてます。「田畑を荒らしているイノシシ。殺そうとしていたのだから、池に落ちてちょうどいい機会だ」などと言っていましたが、「子犬1匹殺しても死罪だ」と言われ、大慌て。助けようとしましたが、何頭かは池の中にブクブク沈んで死んでしまいました。
しょうがないので、庄屋が上田のお役所に行って報告しました。
次の日、お百姓さんたちがびくびくしている中、お役人がやってきて、「池の東に穴を掘ってイノシシを埋めよ」とのこと。丁寧に葬ったので、お咎めはなかったとのことです。
これは、民話ではなく、実話なんだそうです。今聞けば面白いけど、当事者の人たちはたいへんだったでしょうね(F森)