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塩田にはたくさんのお寺があります。「○○寺」と名がつくのが17。そして、「○○堂」と呼ばれる観音様や薬師如来の仏像を安置したところは、少なくとも15箇所あるのです。
さすがに「信州の学海」といわれる塩田平です。平安や鎌倉の昔から仏教が盛んだったのです。
ただ、それらのお堂やいくつかのお寺には住職がいません。人がいないとなると、中のある仏像などが盗まれてはいけませんから、扉は閉まったままですよね。
そうなると、中を見たくなるのが多くの人の気持ち。
ということで、そういったところに解説板を設置して、そこの歴史や中にある仏像などについてわかるようにするという取組みを塩田まちづくり協議会では今年度から始めています。
今年設置したのは、平井寺の「地蔵堂」と柳沢にある「青龍寺」です。
このブログでは、その内容をお知らせします。
最初は、「平井寺地蔵堂」です。
四国霊場八十八所の塩田平札所めぐりの3番札所でもあります。
住職のいないお堂もどこかのお寺で面倒を見てもらっています。ここは近くにある奈良尾の大圓寺です。
お堂があるのは、平井寺の小高い丘の上。徒歩でしか行けない道を登っていく、26か所の塩田平札所めぐりの中でも難所の一つです。
江戸時代の元禄年間に、四国霊場の仏像が全部で88体各札所に安置されましたが、ここには阿弥陀如来と薬師如来。が、残念ながらその仏様は今はありません。
このお堂、別名を吹上堂とも阿弥陀堂とも呼ばれているとのこと。
いつ建立されたのかはわかりません。その昔、「殿城山 平井寺」というお寺があったそうです。「平井寺」の名前の元となったと言われていますが、そのお寺と「阿弥陀堂」というお堂に祀られていた地蔵尊と不動明王、そして阿弥陀如来の仏像が、寺の火災やお堂の廃堂により、この地蔵堂に移されました。その時はたくさんの仏像があったのでしょう。
しかし、昭和42年(1967年)には不動明王が、平成13年(2001年)には地蔵尊と阿弥陀如来が盗まれてしまいました。
その後、不動明王は、昭和47年(1972年)に仏師の狩野氏により新しく造られて寄付されました。また、地蔵尊も平成14年(2002年)に石造の地蔵尊として寄付されました。
2枚目の写真の左が不動明王、右が地蔵尊です。
ありがたいことです。歴史のある仏像ではありませんが、大日如来の化身とも言われる不動明王と、輪廻転生する六道それぞれで衆生を救ってくれる地蔵尊。寄付された方々の思いをこれからも伝えていくのでしょう。(F森)