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普段はご本尊が拝めないお堂 その2

普段は扉が閉まっていて中が見えないお堂について、写真を付けて解説してしまおうという企画の紹介。2回目です。
 お堂の名前は「青龍寺」。柳沢地区にあります。正式には「南天山 青龍寺」。
四国霊場八十八所の塩田平札所めぐり6番札所です。
ここの宗派、もとは浄土宗でした。法然上人が始めた「南無阿弥陀仏」と唱える専修念仏の宗派ですね。
このお寺、江戸時代前期の慶安4年(1651年)にできました。それから明治時代初めまでは住職がいました。それ以降はいわゆる「無住」になったため、塩田にある浄土宗のお寺の住職に兼務してもらっていました。しかし、それもそろそろということで、令和4年(2022年)に浄土宗のお寺としては解散し、今は地元の柳沢地区で管理しています。
ご本尊は阿弥陀如来。お顔や肌は金色、結構大柄な仏像です。「九品来迎印」(くほんらいごういん)という阿弥陀如来独特の印相(手の組み方)。両手をくっつけて、メガネの形を作っている感じですかね。
 そして仏像が向いているのは東の方角。お堂の向きも同じです。そうすると、人々が阿弥陀さんを拝むのは西に向かってということになります。阿弥陀如来は西方浄土におられる仏様。だから西向きに拝むのです。
このお堂、明治の頃は小学校の校舎として使われました。東塩田を通学区とする「習成学校」の「柳沢支校」として、この地区の子どもたちが通いました。
また、青年たちの学びの場にもなったようですし、昭和40年代には保育園として使われたそうです。
毎日のように使われていた時代とは違って、今は静かな雰囲気の中にあります。一人ここに佇んで、西方浄土の阿弥陀如来に向かって手を合わせる。札所めぐりの原点かもしれません。(F森)

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