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戦争の記憶を若者たちに語り継ぐ

 ロシアがウクライナに攻め入って1年。テレビでは毎日、戦車や発射されるミサイルなどの映像が流され、特に、ウクライナの各都市で、アパートや病院が崩れているところや、家族を亡くして泣き悲しんでいる場面を見ると、悲しいと同時に、観ているだけで何もできない自分に歯がゆさを感じます。
日本でも、今から80年前、ハワイの真珠湾を日本軍が爆撃したことから始まる太平洋戦争があります。4年もの間戦い、米軍による空襲で、東京など大都市ばかりでなく、上田も爆撃機が飛び交い、古安曽地区の来光寺池にも爆弾が投下されました。
しかし、当時のことを知る人たちはだんだんに少なくなり、人々の様子がどうだったのか聞く機会も減ってきています。
そうした中、長野大学社会福祉学部の山浦和彦教授のゼミ生が、その頃のことを語ってくれる方を探してインタビューし、その内容を一冊の記録集としてまとめました。「若者たちへの伝言」というタイトルになっています。この中では、20人ほどの方々が取材に応じてくれ、日常生活のこと、学校のこと、空襲にあった経験などを語っています。また、全員の方に若者たちへの伝言も聴いています。
 2枚目と3枚目の写真はその一部です。青木小学校の先生だった女性が、学生時代に英語教師にあこがれ、英語を勉強したかったが「敵国語」ということで学べなかったことや、道端に生えている野草がみんな抜かれて食べられていたことなどを学生に語っています。また、千葉県の小学生だった男性は、学校での軍国教育でビンタや物差しで頭を叩かれたりしたこと、音楽の時間で「ドレミ」ではなく「いろは」を使っていたこと、1945年の東京大空襲のとき、戦闘機の機関銃で狙われた恐ろしい経験を話しています。そして、
 この本では、インタビューだけでなく、話を聴いた学生が「若者たちへの伝言」に対する「返信」を書いています。「今回知ったことを伝えていきたい」「政治に関心を持たなければいけない」「平和の大切さを痛感した」など、彼らが感じたことをしっかり表現しています。
インタビューのほか、この本には、戦闘機の燃料に使う「松やに」を大学の裏にある東山で採取していたことや、当時上田で飛行学校の教官をしていた遊佐准尉という方が、生徒を特攻隊で死なせてしまったことから、妻子とともに自決してしまったことも掲載されています。
塩田まちづくり協議会では、戦時中の体験を話していただける方々を募集するお手伝いをしたので、この本を大学からいただきました。一般には広く出回ることはないようですが、多くの方々に読んでいただきたいと心から思える記録集ですね。(F森)

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