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「観音」様は、正確には「観世音菩薩」。地蔵菩薩とともに、仏様の中ではもっとも知られた存在です。般若心経では「観自在菩薩」と呼ばれてますね。
「世音」とは世の中の音、つまり世の中の人々の救いを求める声のことで、その声を仏の智慧をもって観察する、そして救ってくださる菩薩様なのです。
観音様は三十三の姿に自在に変化して、すべての生き物たち=衆生といいますが、それを救ってくださるということです。
また、同じ「観音」でも、「千手観音」や「十一面観音」、「馬頭観音」、如意輪観音」、「聖観音」といったいろいろな観音様がいますね。
そして、「観音様」っていうと、「やさしい」というイメージがあって、女性のようなお顔の仏像や仏画をよく見ます。そのお姿を見ると、確かに人々の声をよく聞いて救ってくださるのだろうと安心します。
そんな観音像がたくさん見られるのが、常楽寺美術館で今行われている企画展です。仏像や仏画がズラリと並んでいます。
美術館に入るとまず出迎えてくれるのが「観音菩薩木像」です。中国の宋時代の物。ただ、これは企画展のために展示されたのではなく、いつもあるものです。美術館の顔とも言えますね。
常楽寺は、北向観音堂の本坊で、その北向観音堂の本尊は「千手観音」です。荒井寛方という方がその千手観音を描いた仏画があります。その横には東御市の画家である丸山晩霞の「観音像」。2枚目の写真の左が荒井寛方で右が晩霞。常楽寺の歴代の住職が親交のあった画家から画などを贈られて、それが所蔵されているのですが、その一部でしょうね。
外国のものもあります。チベットの「変化観音菩薩立像」(へんげかんのんぼさつりゅうぞう)や中国の「十一面観音立像」。
時代の古いものも。3枚目の写真はいずれも室町時代のもので、左は聖観音、右は如意輪観音を描いたものです。
ほかにも、横山大観たちと共に活躍した木村武山の画や、普通の女性が「観音」として描かれているもの、母と子がキリスト教の聖母子像をモチーフに表現されている画など、中世から近代の作品が「揃い踏み」。
7月15日まで開催されています。(F森)