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今年初めて行われる「日本遺産 信州上田・塩田平検定」で出題されるかもしれない文化財の紹介シリーズその7です。
検定についての詳しいことはこちら→ https://www.city.ueda.nagano.jp/site/nihonisan/81695.html
今回は、「中禅寺」です。
中禅寺は、前回ご紹介した前山寺と同じ真言宗智山派のお寺です。これもまた前山寺と同じなのですが、弘法大師が雨乞いの祈祷のため独鈷山の頂上付近にお寺を創ったのが始まりとされています。
ここは、文化財の宝庫で、日本遺産の構成文化財になっているものだけで3件あります。「薬師如来坐像」に「薬師堂」と「金剛力士像」。
今回は、せっかくですからほかの文化財を紹介します。
まずは、お寺のご本尊「延命地蔵菩薩」。真っ黒いお姿。珍しいです。左手に「宝珠」(ほうじゅ)、右手に「錫杖」(しゃくじょう)を持っています。
数年前に上田市内の仏像をすべて調査した大学の先生の話では、重要文化財になっている薬師如来坐像より古い時代に造られたかもしれないとのこと。
そして、このお寺、「塩田平札所めぐり」の10番札所になっています。江戸時代の元禄の頃四国霊場の88体の仏像を塩田のお寺やお堂に安置したのですが、中禅寺には4体の仏様が来ました。その後、残念ながら2体はなくなり、今あるのは2体。2枚目の写真の右側は「十一面観音菩薩」、左側が「阿弥陀如来」です。この写真、中禅寺が作った写真集から拝借しました。
中禅寺は、このほかにも、その昔寺の近くにあった塩野神社の神宮寺の本尊だった「千手観音菩薩像」や「不動明王」といった仏像もあります。
また、薬師堂の裏手には、立派な「五輪塔」。鎌倉時代のものだそうです。
こういった古い時代のものがたくさんある中で、ユニークなのが2年前にできた「釈迦如来像」。本堂と薬師堂の間に鎮座しているのですが、なんとヒノキをチェーンソーで彫ったものなのです。ヒノキの大木が枯れたので伐採したのですが、そのまま処分してしまうのは忍びないということで、上田市内にお住まいの方に彫ってもらったそうです。大小いくつものチェーンソーを使い分けて、見事なお釈迦様になっています。
今回ご紹介したものは、「信州上田・塩田平検定」には問題として出ませんけど、こういったものも調べると、「世の中、受験勉強だけが勉強じゃないんだ!」と感じます、本当に。(F森)