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五加八幡社にもあった!「薙鎌」

 「薙鎌」(なぎがま)については、6月のこのブログでお伝えしました。
これは、「鎌」なんですけれども、諏訪大社系の神社で昔から祭礼などで使われてきた神器ですね。
鎌の先端にクチバシのようなものがあり、目があいていて、背中はギザギザになっています。
いろんな形があるのですが、鳥に似ているものと、蛇やトカゲのような形をしたものに大別されるようです。
塩田では、生島足島神社と保野の塩野神社にあって、そんな縁もあり、8月30日に薙鎌を主テーマにした講演会が開かれました。
場所は生島足島神社の齋館、講師は元長野県立歴史館長の笹本正治さんです。
県内各地の薙鎌をたくさん紹介して、どんな使われ方をしたのか、どんな形があるのか、それが作られた背景などを詳しくお話しいただきました。
最初の写真にある生島足島神社の薙鎌は、豊臣秀吉が朝鮮に出兵した天正20年(1592年)に、諏訪の住人兼家という人が奉納しています。長さが40cm近くもあり、大型のものです。
 2枚目の写真、保野塩野神社のものは2つあり、江戸時代のものだろうと笹本先生はおっしゃっていました。長さは27cmと22cm。
諏訪大社が全国の諏訪系のお宮に配っている最近の薙鎌は、明治7年の原図を元に平成4年以降用いられているものだそうで、鳥のくちばし型をしています。一方、二つのお宮の薙鎌は、鳥というより蛇やトカゲにくちばしが似ているようです。
そして、この日登場したのが、五加八幡社の2つの薙鎌の現物です。3枚目の写真です。
 江戸時代中期の1685年に奉納されたという記録は、五加自治会が出した「五加の歴史」などで知ってはいたのですが、最近お宮の本殿の奥で見つかって、この日五加の方に持ってきていただきました。形は、欠けてしまっているところもありますが、鳥というより蛇やトカゲ型ですかね。諏訪神の名前が書かれた札のある箱に納められていました。
薙鎌は、諏訪系の神社で、御神木に打ち付けたり、塩野神社のように棒の先に付けて祭礼の時にお練りの先頭で掲げられるといったように、非常に大切な神器だということです。
先生によると、薙鎌の持つ意味はいろいろあるということですが、印象的だったのは、風と水に関わっているということです。中国の皇帝が水を司る龍をシンボルとして、皇后は風を起こす鳳凰を服などに用いるというように、日本も含め治水・利水は権力者の一番の務めでした。雨が降って川に流れ、風があることで水が雲になりまた地上に降る、そんな象徴が龍や蛇であり、鳳凰という鳥なんですね。それが薙鎌の形になっているのかもしれません。
先生の話で、このことを「風調雨順」と表現されていました。これは、8月に紹介しましたが、千日回峰行を成し遂げた高僧である願海の揮毫による手塚にある幟の文字「和風常応節」と「甘雨順時行」が意味する「穏やかな風は常に季節の応じて吹き、恵みの雨は適切な時期にしたがって降ってくれる」に通じる所があると思いました。
ところで、薙鎌は諏訪系の神社の神器ということです。生島足島神社には諏訪社があり、保野塩野神社は、諏訪神も祭神になっています。しかし、五加八幡社は、八幡神の誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)が祀られていて、「諏訪系じゃないではないか!」。
このお宮、正式には「八幡大神縣社」という名称で、八幡神は、木曽義仲又はその武将の塩田八郎高光が元からあったお宮に合祀したものです。その元からの神様が「八縣宿祢命」(やあがたすくねのみこと)で、この神様は、諏訪神の建御名方命(たけみなかたのみこと)のお孫さんなんですね。ですから、これは勝手な想像ですが、諏訪神に関係するお宮なので薙鎌が奉納されたのかもしれません。
塩田にいくつもある諏訪系のほかのお宮にもあるかも。というように、いろいろ興味が尽きない「薙鎌」のご紹介でした。(F森)

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