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「紅葉の東山名所めぐり」のレポート最終回です。
明神岩から「いにしえの丘公園」に戻り、昼食を食べて向かったのは、運動公園の体育館横から延びる「中コース」経由の「ばくち岩」です。
ここは結構な急坂。紅葉の林の中を行くのですが、ゆっくり眺める余裕もなく、息を切らせながら登っていきます。
「最後、もう一息です」のリーダーの声で、なんとか頑張って平らな道に出ると、またまた解説板。「ばくち岩」の解説が書いてあります。これも明神岩と同じ時期に下之郷自治会によって立てられたものです。
それによると、川中島の戦いの時代、戦列を離れた武田信玄軍の者が甲斐の国に帰るとき、岸壁中央の岩に住みつき、近在の村人を集めて賭博場を開いた。江戸時代は御法度(禁令)なので、密かに岩穴で博打に興じた。明治の中頃まで行われ、博打岩と言われるようになった。磨り減った賭博台が岩の中に見られる。
ばくち岩はどこ?と岩壁を見上げると、壁に大きな穴が開いています。解説板の所から急傾斜の細い道を上がると、奥行3mくらい、横幅4mくらいのスペース。決して平ではないのですが、手前には直径50cmほどの磨かれた「博打台」と思われる石があって、ここでサイコロを転がしていたのでしょうか。
ここでも武田信玄が出てきました。「ここに住めるの?」とは思いますが。
そして、江戸時代は、確かに博打が禁止されていたのですが、隠れてやる人たちが多かったようで、上田藩も何回もお触れを出したということです。
隠れてやるにしても、下の村からここまで急坂を上がってきて、足を滑らせたら数メートル下まで落ちてしまうような狭い場所でやることはないだろうに、と思いますが、確かに役人に見つかる心配はなさそう。
この日の「名所めぐり」は、明神岩とばくち岩を目的地にしたものでしたが、東山周辺は魅力満載です。ちょっとその魅力をまとめてみました。
① 遊歩道(登山道)のコースがたくさんあり、道は、大げさな言い方をすれば網の目状で、散策の選択肢が多いです。1~2時間で回れるプランもできますし、1日かけて歩くのも飽きがきません。それぞれ道はしっかり整備され、案内標識も豊富です。ナチュラリストクラブ・うえだが作ったトレッキングマップもあり、迷うことはほぼありません。
② 急坂もありますが、何時間も苦闘することはなく、登山気分も味わいつつ、仲間とわいわい言いながら歩けます。
③ 季節の花や木々の紅葉など自然を楽しめるのと、古墳や「戦争を伝える松」など、地域の歴史を知ったり、明神岩や大岩で眼下の景色はすばらしい。(F森)