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前山地区にある「前山寺」。真言宗智山派のお寺です。言わずと知れた弘法大師の始めた宗派。そしてこの前山寺、弘法大師が1200年ほど前に開いたとお寺では伝えられています。その奥の院があるのが「弘法山」です。
この山、標高は842mとたいして高い山ではありません。前山寺が鎌倉時代末期に今のところに移るまで塔などの伽藍があったという「塔の原」から登れば、1時間もあれば頂上に行けます。でも、道は険しいです。足元に神経を集中して行かないと滑落してしまいそう。
そんな山道に祀られているのが三十三体の観音様の石像。「西国三十三観音」といって、近畿6府県と岐阜県にある札所の観音様を、江戸時代後期の1793年に勧請して安置したのです。
当時祀られたのは木の観音様。でも長い間に壊れたり、なくなってしまったりで、現在では半分の16体が残されているだけ。それらは今、前山寺の境内にある「不動堂」に並べられています。金色のきれいなお姿です。
で、今山の中にある石像は、1990年に地元の人たちと石工組合の方々が復元したものです。重い石像を山中まで運び、険しい山道の石の壁などに穴をあけ安置したのです。
7月の中旬、ふもとではアジサイがきれいに咲いている頃、東前山自治会で「観音巡り」を行うということで参加してみました。
観音様といっても様々で、「如意輪観音」に「十一面観音」、「千手観音」、「馬頭観音」などなど。足元に注意しながら急峻な山道を歩き、観音様のところでカメラを向ける。中には岩壁の上の方にあって、そこをよじ登ってシャッターを切る。難行です。
そうこうしているうち、いつの間にか頂上。ここからの眺めは最高です。西塩田から中塩田、東塩田が一望。塩田平のため池や田んぼのほか、遠くには山々。上田市民の山の「太郎山」や「虚空蔵山」、「根子岳」に「四阿山」も見えますね。
頂上の直下にあるのが前山寺の「奥の院」です。この中にも観音様があって、十七番から十九番。写真にはありませんが、弘法大師の像もあります。
そしてこれからの後半が、まさに「命がけ」。次回にお伝えします。(F森)