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垂直に切り立つ断崖絶壁。長さは200メートル、高さは50~60メートル。生島足島神社前の交差点を東に進み、東山観光農園から来る道との交差点を少し過ぎた所から、ちょっと細い道を車で行くこと2~3分。最後のカーブを曲がると突然目の前に現れるのが最初の写真です。
「鴻の巣」。上田市の文化財に指定されている名勝です。約1300万年~950万年前に堆積した礫岩や砂岩で、海が地殻変動で隆起し、その後風雨などで鋭く削られました。
駐車場から2~3分ほど歩くと、その断崖絶壁の前まで行けます。窪みがあったり、草が生えていたり、土はザラザラで歩きにくいのですが、それなりの運動靴で絶壁の下に行きつきます。
見上げる高さ。首が痛くなります。海の中からこれがここまで隆起してきたのか!
「信州上田塩田平かるた」で、この鴻の巣はこんな読み札になっています。「垂直に 切り立つ鴻の巣 しま模様」。崖を見上げると、ちょっと赤みがかった茶色のしま模様が見えます。岩肌に鉄分がしみ込んでこんな風になったそう。
ところで、なんで「鴻の巣」って名前なの? 一緒に行った長野大学の学生に聞かれました。「コウノトリに関係してるんですか?」とも。「おっしゃるとおり」。昔、周りの松の木にコウノトリが巣を作ったことから名前が付いたそうです。面白いところに着目して名前を付けたものですね。7年ほど前に兵庫県の出石市からコウノトリが飛来して、塩田のあちこちのため池にいる姿が見られました。「ユキちゃん」という名前も付けられていましたが、残念ながら、今は写真が残るのみです。いつの日か、鴻の巣に本当にコウノトリが巣を作ってくれればよいのですが。
まあ、それはともかく、何千万年という地球の歴史を感じさせてくれる名勝。子どもたちのハイキングの場所にもなっています。ここに来た子どもたちの歓声を上げる姿が目に浮かびます。(F森)