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7月といえば祇園祭の月です。おおもとの京都八坂神社をはじめ、全国で祭りが行われます。
上田でも、中心市街地で「上田祇園祭」が開催されました。真田昌幸公が上田城を築城した頃に始まったという、お神輿がたくさん練り歩くお祭りですね。
塩田でもいくつもの神社で行われます。
そしてこのうち、三頭の獅子が舞うのは4カ所。
別所神社、前山の塩野神社、保野の塩野神社、そして下之郷の生島足島神社です。
今回はこの三頭獅子の獅子頭を紹介します。
写真は、上から別所、前山、保野の順番です。下之郷の写真は手元にないのですみません。
それぞれ個性的で、こんなに違いがあるのが、写真を並べてみてよくわかります。
保野の祇園祭は、今年は7月の19日と20日の土日に行われるのですが、それを前にして、中塩田小学校の高学年の子どもたちで作っている「地域文化財探検クラブ」というクラブの活動で、祭りに使う獅子頭や、獅子を先導する天狗の面、ささら舞のささらなど実際に使うものを祇園祭保存会の方に見せていただきました。
別所と前山の獅子頭は「竜」ですね。一方、保野の獅子頭は「獅子」です。雄獅子2頭に雌獅子1頭で、真ん中が雌獅子。両側の雄獅子のような角がなく、やさしい顔をしています。
別所と前山の獅子頭は写真を見てもらったのですが、子どもたちは、3つの地区の獅子頭の違いにびっくりしていて、「獅子」なのに、ほかの2地区はどうして「竜」なんだろうと言っていました。どうしてなんでしょう?
小学校まで帰る道すがら、「祇園」ってどういう意味?と聞かれました。いい質問!
日本で一番最初、9世紀に祇園祭が始まったという八坂神社は、明治以前は「祇園社」という名前で、言ってみれば神仏習合の神社。仏教の聖地で、平家物語で有名な「祇園精舎」の守り神である「牛頭天王」を祀っています。牛頭天王は、神仏習合ではスサノオノミコトと一体とされています。そのお祭りなので「祇園祭」。受け売りの知識ですけど。
明治になって、神仏分離令ができ、「祇園社」は純粋に神道の「八坂神社」になりました。ただ、祭りの名前はそのままだったんですね。
子どもたちもいい勉強になりました。保野で行われるお祭りの「行列」や「ささら舞」に参加したり、ゆくゆくは「三頭獅子舞」に出るようになってくれればいいなあと思います。地元の文化財を大切にする、そして興味を持ってもらえればありがたいですね。(F森)