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「三頭獅子舞」の紹介シリーズ最終回です。トリは、別所温泉「岳の幟」の三頭獅子。
岳の幟は、400年以上も前から行われている「雨乞い」の行事です。夫神岳の頂上で九頭竜神にお詣りした後、幟を押し立てて山を降り、別所温泉内を巡ります。人が抱えている幟は高さが4~5m程もあるでしょうか。そして数えきれないほどの本数。沿道で見ていると圧巻です。幟が町内を巡っている時、ところどころで子どもたちのささら踊りと、この三頭獅子が舞われます。そして、最後は別所神社で奉納。
この行事、雨乞いの祭りである「岳の幟」と「祇園祭」が一緒に行われているものです。昔は別々だったのですが、今から90年近く前の1934年から今の形に。三頭獅子は、元々は祇園祭で舞われていたものです。
龍の頭の緑色の雄獅子2頭と赤面の雌獅子が1頭。それぞれ両手に撥(ばち)を持ち、腰に付けた太鼓を打ちながら踊ります。
飛んだり跳ねたり、結構舞の動きが激しいのが特徴でしょうか。体力を相当消耗しそう。今回の合同演舞では1回だけなのですが、祭で実際に舞うのは、町内の4か所と最後の別所神社の計5回もあります。年に1回とはいえ、日頃の鍛錬が欠かせない感じですね。 今回の合同演舞。一堂に会するのは昔一度あっただけだそうで、観客の皆さんはもちろん初めて。三頭の獅子が舞うのはもちろん共通しているのですが、獅子の形、踊り方などそれぞれ特徴があり、見ごたえがありました。
保存会の皆さんは、今どきの社会情勢の中で、後継者の育成など苦労されていると思いますが、大切な無形民俗文化財。これからもいい舞を毎年見せていただきたいと感じました。(F森)