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今から330年ほど前の江戸時代。四国霊場をお遍路するのは当時も盛んにおこなわれていたようです。でも、塩田からは遠い。そこで、京都の仏師に四国霊場の88体の仏像を彫ってもらい、塩田のお寺などに安置しました。そしてそこを札所として巡る。江戸時代の人たちは、そういうことで四国遍路と同じようなご利益を得たいと熱心に巡ったのでしょう。
ただ、明治に入るとそれが途絶えてしまったようです。それを復活しようと、塩田仏教会が中心となって、今は春と秋に3つのコースですべての札所を回る催しを行っています。
コロナ禍で、ここ数年はなかなかフルスペックでできなかったのですが、この春からは前のような形で行われるということで、中塩田コースを同行取材しました。
出発は、先達が住職を務める「龍光院」から。編笠をかぶった住職を先頭に本堂前から参道を下って札所巡りがスタート。
向かったのは、八木沢にある「法輪寺」。別所の安楽寺の末寺で宗派は曹洞宗。永らく荒れていた本堂を平成23年に新築。中には、平成30年に上田高校の美術班の生徒と顧問の先生が描いた天井絵もあります。札所巡りでは、参加者がお寺やお堂の前で般若心経を唱えます。法輪寺の住職である安楽寺副住職と子どもたちがおもてなしをしてくれました。
次に向かったのは、舞田の「法樹院」。浄土宗のお寺です。その次は保野の「龍昌院」。宗派は曹洞宗で、新しい住職が迎えてくれました。
このお寺は、初代上田藩主の真田信之公が開いたお寺で、その縁で、長野市松代町にある菩提寺「長国寺」から分骨してもらい、信之公のお墓もあります。また、ここのご本尊は「出山(しゅっさん)の釈迦像」といって、厳しい修行を終えて山から出てきたお釈迦様の様子を描いた立像で、こういうご本尊は珍しいです。
そして、小高い丘の上にある龍昌院を出て次に向かったのは、同じ保野にある「林法院」です。
が、ここから先は後編で。(F森)