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三頭の獅子が舞う「三頭獅子舞」。神社の祇園祭で舞われるものが多いようですが、塩田では4カ所で行われています。今回のブログでは、このうち下之郷の三頭獅子を取り上げます。
前山と保野のそれぞれの塩野神社の祇園祭と別所温泉の岳の幟、そして今回ご紹介する下之郷の生島足島神社の祇園祭で奉納される三頭獅子。このうち別所温泉の岳の幟は、元々、別々に行われていた雨乞い祭りの岳の幟と別所神社の祇園祭が、昭和9年から一緒に行われるようになったものです。たくさんの幟をかついで別所温泉内を練り歩くのが雨乞いの方、三頭獅子舞と子どもたちが舞うささら踊りは祇園祭のもの。ということで、塩田の三頭獅子舞は、4か所とも神社の祇園祭で奉納されるものなのです。そして、みんな無形民俗文化財に指定されていて、岳の幟は国指定、あとの3か所は上田市指定です。
今年の生島足島神社の祇園祭は、7月最後の日曜日。上の宮と呼ばれる生島神・足島神の本殿と諏訪社の下の宮の間にある神楽殿で行われました。両方のお宮に奉納するということです。
ここの三頭獅子の特徴は、ほかの地区のものは雄が雌を巡って争う場面があるのですが、ここのはそれがないということ。
2頭の顔は赤く、もう1頭のは金色。これが雌でしょうね。唇は赤い。3頭とも金歯が目立ちます。
屈伸運動が激しい舞です。体力が相当いりそう。田植祭では、田を這う格好で踊るので、「田の草獅子」とも呼ばれるそうです。
そしてこの祇園祭では、三頭獅子の前に「浦安の舞」が奉納されます。
これは、下之郷の小学校6年生の女の子が舞うもので、3人の女子児童が登場しました。
浦安の舞というのは、いろいろ検索した結果わかったのですが、昭和15年(1940年)の「皇紀2600年奉祝会」に舞うために新たに作られたもので、「浦」というのは日本の古語で「こころ」を、「安」は「安らぎ」を意味するのだとか。
前半が扇を持って舞うもの、後半では鈴を持っています。何回も練習したのでしょう、きれいに踊れました。
ほかの神社の祇園祭でも「ささら踊り」など子どもたちの舞が披露されるのですが、どこも人材確保に課題があるようです。子どもたちに限らず、伝統行事を引き継いでいく人たちを確保していくのはたいへんなことではあると思いますが、多くの人たちにこうしたことが行われていることを知ってもらい、関心を示してくれるようにしていくことが必要だと強く感じます。(F森)