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「塩田平の文化財クイズ」の問題に関するよもやま話②

「塩田平の文化財クイズ」の問題をもうちょっと掘り下げて解説するシリーズの2回目。
今回は、三重塔に関するものです、
クイズの問題。「安楽寺八角三重塔と同じ八角形の三重塔は、安楽寺を含めて、現在、全国にいくつあるでしょうか?」
 1 1つ  2 3つ  3 5つ  4 7つ
 で、正解は1の「1つ」です。全国で、八角形の三重塔は安楽寺だけなのです。あとはみんな四角形で同じ。
ということなのですが、「建築様式」という点で見ると、いくつかパターンがあって、県内にある三重塔にも違いがあります。
その一つが「禅宗様」というもの。中国から伝わった建築様式で、安楽寺が代表例。屋根の下にある塔の中心部から外側に渡されている何本もの角材、「垂木」というものですが、禅宗様の場合は、外に来るほど広がっている「扇垂木」です。それと、禅宗様では、塔の左右の柱を「貫」という横材が柱を貫いていて、突き出た先端には装飾が施されています。「木鼻」です。
建築様式のもう一つが「和様」です。中国から伝わった様式を日本独自の形に発展させたもの。
 2枚目の写真の左が青木村大法寺の三重塔、右が信濃国分寺三重塔です。両方とも和様です。
垂木は平行になっています。また、柱と柱は、外側から「長押」(なげし)という横材が打たれています。3枚目の写真の右にある駒ケ根市光前寺の三重塔もそうです。
最後の様式は「折衷様」。3枚目の左、前山寺の三重塔がその例です。
禅宗様と和様の両方の様式を取り入れたもの。垂木は平行で「和様」、貫や木鼻があって「禅宗様」。
そして、建築の年代の違いも形に現れています。最も古いのが鎌倉時代の安楽寺。次が、鎌倉幕府滅亡の年(1333年)にできた大法寺。信濃国分寺と前山寺は室町時代。光前寺は一番新しく江戸時代後期です。もっとも、光前寺のは室町時代にできた塔が火事で燃えてしまったため再建されたのですけど。
年代の違いは、塔の傾斜角度です。塔を三角形に見立てますと、古いのは、頂点の角度が広くて下の方がどっしりしています。そして、時代が下るにしたがって、頂点の角度がより鋭角になって、塔の上の方と下の方の幅の違いが少ない「ズンドウ」型になってきます。
見た目の美しさは、どこもそれぞれあって楽しめますが、こうしたいろんな違いを見てみるのも面白いですよね。(F森)

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