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二つの国宝をつなぐ峠道を歩く① 安楽寺から峠まで

上田市の西隣にある青木村と別所温泉は、間に「夫神岳」があります。塩田側では「おがみ」、青木側では「おかみ」と呼ぶようです。別所の「岳の幟」は、この山の頂上にある九頭龍神の祠で神事を行い、たくさんの幟を担いで温泉街に下ります。
 その祠なのですが、別所方向を向いています。九頭龍神を別所村と青木村のどちらに向けるか決めるとき、牛と馬を山に登らせて勝った方の村に向けることになり、くじ引きで別所側になった牛が、途中で上れなくなった青木側の馬に勝ったため、別所側に向いているという民話があります。
それはともかくとして、別所温泉と青木村の間には、「殿戸峠」(とのどとうげ)という峠を通る山道が通っています。安楽寺のすぐ横から道が出ていて、青木村の殿戸地区に至ります。
青木村では「別所峠」と呼んでいますが、国土地理院の地図では殿戸峠と表示されています。
峠の標高は約700m。安楽寺から100mほど上ることになります。
この道は、「中部北陸自然歩道」や「田園空間博物館」といった事業で、楽しんで歩けるようかつて整備されてきたのですが、このところ手入れがされず荒れていました。そこで安楽寺の前の住職(東堂)である若林恭英氏が中心となって整備され、歩きやすい道が生き返りました。
ここを通るウォーキングイベントがここ数年で開かれるようになり、塩田まちづくり協議会でも、この11月17日に、安楽寺から峠を越えて青木村の大法寺まで歩くイベントを行う予定です。
その下見ということで、若林東堂にご案内いただき、10月下旬のこの日歩いてみました。
安楽寺と言えば、国宝の八角三重塔が有名です。そして、青木村の大法寺にも国宝の三重塔があります。安楽寺の三重塔は、鎌倉時代後半の1290年代に建てられたものと考えられています。中国から伝わった純「禅宗様」建築。そして純「和様」の大法寺の三重塔は、1333年に建立されたことがわかっています。鎌倉幕府が滅亡した年です。今回のイベントは、この、共に鎌倉時代に造られた二つの三重塔を起終点とするウォーキングというわけです。
安楽寺の黒門のすぐ横の道を上がっていきます。戦前に農民運動の支援に尽力した山本宣治とタカクラ・テルの記念碑の横を通り、山道に入ります。ところどころ急な坂はありますが、道は整備されていて歩きやすいですね。
 木々の間から八角三重塔や夫神岳も見えたりします。
そうこうしているうちに、見えてきたのは「別所峠」の標柱。別所と青木の境ということですね。安楽寺から約1km。
 ここから青木村に少し入った所にあずまやがありました。「田園空間整備事業」で整備されたもの。別所と青木のだいたい中間地帯にあって、どちらから峠道を上ってきても休憩するにはいいポイントです。
ということで、このレポートもここで休憩することにして、大法寺までの道は次号で。(F森)

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