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二つの国宝をつなぐ峠道を歩く② 峠から大法寺まで

「殿戸峠」を通って、安楽寺から大法寺まで歩くレポートの後半です。
峠から青木村にちょっと入った所にあるあずまやを過ぎると、結構急な下り道です。「帰りはこの道を上らなくてはいけないんだ」と、もう帰りのことを心配しつつ、滑って転ばないよう気を付けて歩いていくと、林を抜けて、眼下に青木村の東の方が見えてきます。そして目の前には集落が。
殿戸地区です。江戸時代に造られたかというような立派な門や土蔵のあるお宅もあります。
そして、下ってきて集落の入口付近にあったのが「慶太塾」と書かれた新しい建物。最初に写真の左側の建物です。
青木村出身で、東急グループの実質的な創業者の五島慶太翁の生家を再生した東急の研修施設です。2023年に整備されたとのことで、東急や関係企業の社員教育に使われているそうです。
 五島慶太翁に関しては、この道をさらに下って行ったところに「五島慶太翁記念公園」があり、また、村の中心部近くには、慶太翁の足跡がわかる「五島慶太未来創造館」という村が造った施設もあります。彼は、青木村出身というだけでなく、別所線を始めとする上田の鉄道網の整備に尽力しています。塩田にとっても功績のある方なのです。
その慶太塾を過ぎてさらに進むと、左手に「日吉神社」がありました。長野県宝に指定されています。社殿は室町時代のものを考えられていますが、元は大法寺の近くにあったのだとか。創建の時期は不明なのですが、大和王権の頃から都と結ばれていた東山道の宿である「浦野駅」(うらののうまや)があったところなので、何か関係があるかもしれません。
坂を下りきって、村の中の道を行って国道143号線を越えると、大法寺にだんだん近づいてきます。
ただ、この大法寺に至る最後の道が結構な急坂。安楽寺から4.5kmも山道を上り下りして疲れたところで最後の上り。
でも上りきると目の前には「見返りの塔」大法寺の三重塔です。
 大法寺は、古くは「大宝寺」だったそうで、8世紀初頭の飛鳥時代大宝年間に創建されたのだそうです。
宗派は天台宗。本尊は、三重塔の向かって右手前にある観音堂に安置されている十一面観音です。観音堂には普賢菩薩の仏像もあるのですが、この二つの仏像は国の重要文化財に指定されています。おまけに堂内にある厨子と須弥壇も重文。国宝と重文があわせて4つもあるお寺なのです。
 国宝の三重塔は、鎌倉幕府が滅亡した1333年に建立されたことが分かっています。
中国から伝わった「禅宗様」の安楽寺八角三重塔に対して、大法寺の三重塔は、禅宗様を日本独自の様式に発展させた「和様」の建て方。檜皮葺の屋根の両側が反っていて、鳥の羽のよう。東山道を通る旅人が、振り返り振り返り塔を眺めたことから「見返りの塔」と呼ばれています。
殿戸峠を間に挟んで、二つの国宝の三重塔を起終点とする遊歩道。往復すれば約9kmの道のり。急な坂道もありますが、道は整備されていて危険な所はありません。一本道なので迷うこともなし。多くに人に歩いてもらいたい道の一つですね。(F森)

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