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上田電鉄別所線ができて、今年で103年。そして、千曲川を渡る赤い鉄橋が完成し、今のような形で上田駅と別所温泉駅が結ばれたのが100年前。そう、100周年記念の年なんです。
この路線、もともとは青木村に向かう「青木線」の支線としてできたものです。上田から青木に向かう道路の端に線路が引かれた「軌道」の電車。バスなどと並行して走っていたのです。
ただ、別所線は専用路線で、今と同じところを通っていました。
そんなことで、青木線は、バスとの競合などにより昭和13年(1938年)に廃止になったのですが、別所線は健在。そして、駅舎も開業当時のものが残っています。
「中塩田駅」。開業当時は「五加」という名前でした。できたのは鉄道開通と同じ大正10年(1921年)。
今は無人駅ですが、昔は駅員さんがいて、駅舎には今も、改札口や駅の事務室などその頃をしのばせるものも残っています。待合室はもちろん今も使われていて、地元の方々によって飾りつけもされ、掃除も行き届いています。
建物の形は別所温泉駅と同じような感じで、青の板壁の上にクリーム色の壁。ローマ字の駅名。
「大正ロマン」を感じさせる建物ですが、平成21年(2009年)には当時のような色で壁が塗り直され、耐震補強もされているのです。
次に紹介するのは、下之郷の「旧下之郷郵便局舎」。生島足島神社のすぐ隣にあります。
大正7年(1918年)に建てられました。別所線の駅舎より3年早いということです。
建てたのは、地元の方々で作った社団法人の「下之郷社」。明治36年(1903年)に設立された法人ですが、その頃、今でいう自治会くらいの範囲の人たちで社団法人を作ってしまうなんてすごいと思います。
で、その方々の先進的な考え方で洋風の郵便局舎を建て、「東塩田郵便局」に貸したのです。
郵便局はその後、別の所に移転され、この建物、今は下之郷公民館の分館として活躍しています。
この建物の北側には生島足島神社の神宮寺の鐘楼があります。明治2年(1869年)に「廃仏毀釈」でお寺のお堂などは壊されてしまったのですが、鐘撞のお堂はここに移され、今に至っています。
大正の洋風建築と江戸時代のお寺の鐘楼が並んでいる風景。「歴史」の流れを感じますね。(F森)