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塩田平の文化財 -安曽神社 前編 珍しい門-

 塩田平の文化財を紹介するシリーズ。今回は、東塩田の安曽神社です。鈴子、石神、柳沢の3地区の産土神(うぶすながみ)。地域の守り神ですね。
「安曽」の名前。このお宮の南側にそびえたつのは「安曽岡山」。そして、塩田の地は大和朝廷時代から平安時代は「安宗郷」(あそごう)と呼ばれていました。信濃国の国造(くにのみやつこ)に任命された阿蘇の国からやってきた阿蘇氏一族がこの地に住んだからついた名とも言われています。
安曽神社の祭神は、大国主命(大己貴命 おおなむじのみこと)と、その次男夫婦である建南方命(たけみなかたのみこと)、八坂刀女命(やさかのとめのみこと)です。出雲、諏訪大社系の神様です。

 

 創建時期は不明ですが、お宮に伝わる話では、9世紀半ばにまでさかのぼることができるそうです。
で、このお宮の特徴は、1回のブログではお伝えできないほどいろいろあるので、前編として、今回は「随身門」(ずいしんもん)を紹介します。大きな門です。2階建てですが、1階の人が通るところだけで6メートルくらいはありそう。鳥居から本殿までの間の参道に建てられていて、入母屋の楼閣造り。屋根を支える垂木は「扇垂木」という形式ですし、柱を貫いた「貫」という横材の先には「木鼻」という彫刻が施されています。古建築でいう「禅宗様」です。建てられたのは江戸時代の終わりに近い1824年。

 


門の両側には「随身像」が安置されています。随身は、お宮を守るための神様。お顔を見ると、どちらも笑顔なのですが、虎の皮の敷物の上に座り、弓を手に、矢を背負った武将姿。悪い者をここから先には通さないということでしょう。そして、1枚目の写真に写っているのですが、本殿側から見た随身門の両側、随身像から見ると裏側になるのですが、白馬がそれぞれ安置されています。随身の神様を乗せるための馬でしょうか。
こうした随身門があるお宮は、この辺ではここだけです。4千坪(1.3ヘクタール)もの広大な敷地と言い、昔から格式が高いお宮だったことがわかります。
そして、随身門を通って拝殿に向かいますが、この先にも珍しいものがあります。それは後編で。(F森)

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