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塩田平の文化財を紹介するシリーズ。今回は、塩田に伝わる無形民俗文化財を3つ取り上げます。
今年の9月に「第2回塩田平伝統芸能大会」という催しが塩田公民館で行われ、3つの地域から、お囃子と神楽の実演が行われました。
これの様子を5回にわたってお伝えします。
まずは、「西前山お囃子保存会」によるお囃子です。
西前山にある「塩野神社」では、なんと60年に一度という「甲子大祭」(きのえねたいさい)というお祭りが今に伝わっています。たぶん一生に一度しか見られないものですよね。この祭りは、塩野神社の神様が神社の本殿を出て、東前山にある「市神」にお移りになられ、翌日に本殿に帰るというものなのです。
このお囃子は、神様が本殿と市神を往復する場面に合わせて演奏されます。
そして、この実演が行われた日は、4つの場面のお囃子が披露されました。
「仁三郎囃子」は、本殿を出るときと、帰りに市神を出発する時の曲。
「通り囃子」は、道中の曲。行進曲のようなものですね。
「江戸囃子」は、到着間近かの時に演奏されるもの。「もうすぐ着くぞ!」「もう一息がんばれ!」という応援歌でしょうかね。
「かたしゃぎり」は到着した時のもの。喜びを表した明るい曲なんだそうです。
お囃子の編成は、太鼓に鼓と摺り鉦、笛に三味線。保存会は30名程度で活動されているそうです。
60年に1度しか演奏されないの?というと、さすがにそうではなくて、毎年の祇園祭でも披露されます。また、60年の中間年に行われる「甲子中間祭」でも演奏されます。もともと、この保存会は、その中間祭が昭和59年に行われたときに、お囃子を伝承していくため立ち上がったということです。
お囃子が始まったのは江戸時代後期にこの地域に伝わったそうです。そうすると200年以上もの歴史を持つということです。この日の演奏には、西前山の方々がたくさん観覧にお見えになっていました。保存会だけでなく、みんなで伝えていこうという気持ちを感じることができましたね。よかった!(F森)