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ため池まつりのイベント紹介。10月5日の夜、舌喰池の堤に180人以上の人が集まり、2メートルを超えるような長さの大松明に一斉に火を灯します。これが「百八手」。
百八手は、江戸時代から行われてきた雨乞いの行事で、「千駄焚き」とも呼ばれます。
まずは、この地域のお寺の住職さんたちによる祈祷。西前山という地区にある中禅寺では、日照りの時に寺の奥にそびえる龍王山という険しい山に住職が登り雨乞いの祈祷を行ってきました。雨を降らすには人のチカラではどうしようもなく、「仏の力」が必要と考えられてきたのでしょう。
祈祷のあとはいよいよ松明に火が入ります。
竹にワラを巻いた高さ2mくらいの松明を明るいうちに舌喰池の堤に並べておきます。2mくらいの間隔でしょうか。
お坊さんたちの祈祷が終わると辺りは闇に包まれています。子どもからお年寄りまで180人くらいの大勢の人たちが松明を一人1本ずつ持ってワラに火をつけます。
池の周りには真っ赤な炎がズラッと並び、池の水にもそれが映っていて壮観です。ただ、きれいと見とれているわけにはいきません、雨乞い行事ですから。みんなで「あ~め~ ふ~らせ たんまいなぁ」と連呼します。
終わったあとは、参加者に塩田産の新米がお持ち帰りで渡されます。これは楽しみが増えました。江戸時代上田藩5万石のうち3万石と言われた米どころ塩田の新米ですからね。
これまで日照り続きのときは、それぞれのため池で行われた行事。必要な雨は降ってほしいので、本来はあまりやりたくないのでしょうが、次の世代に伝えていきたい行事だと感じました。
(F森)