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日本遺産短編小説にまつわる話④ 甲田池のカッパ伝説

「信州上田10ストーリーズ」の10本の小説に出てくる日本遺産「信州上田・塩田平」の構成文化財についてお話するシリーズ。4回目です。
今回は、山本敦さん「カッパのレイライン初巡礼」に登場する「甲田池のカッパ」です。
話に出てくるのは、甲田池というため池に住むお父さんと、たつ坊という男の子のカッパ。
おかあさんカッパに何度も言われて、しぶしぶたつ坊を外に連れ出した父カッパ。子カッパはいつも「何か買って!」とせがむので連れ出すのが嫌なのです。
レイラインのお寺やお宮に行ってみたいというたつ坊。信濃国分寺にまず行き、次は生島足島神社。子カッパが「団子が食べたい!」。何度も言われてしょうがないので買ってやります。子どもが団子なら俺は酒。と徳利酒を飲みだします。
泥宮北向観音常楽寺別所神社安楽寺と回って甲田池に着く頃には父カッパは酔いよいです。
 で、父カッパ、ここで大騒動を起こしてしまいます。最後にたつ坊「こんなことならお父ちゃんを連れ出さなければよかった!」。
落語の「初天神」をモチーフにしたこの話。最後の大騒動は、塩田に伝わる民話を基にしたものです。
甲田池に住むいたずらなカッパ。百姓の文治さんが池の土手につないだ馬を池に引きずり込もうとします。
ところが、綱が手首にからまって逆に馬に引きずられ、頭のお皿の水がこぼれて力も出ず、文治さんにつかまってしまいます。「生かしちゃおけねえ!」と言う文治さんに、「許してくれたら、お宅で祝い事などがあるときに、人数分のお膳を用意します。」とカッパ。
それからは、文治さんの家でたくさんの人が来ても、ご馳走を出すお膳が出せるようになりました。

EPSON MFP image

でもある時、隣のおばあさんが、帰るときお膳を一つ隠して家に持って帰ってしまい、カッパに返せなくなりました。
それからは、文治さんがいくら頼んでもお膳を貸してもらえませんでした。
この民話、いろいろなところで紹介されていて、2枚目の写真のイラストは、「塩田平のため池と人々の努力・知恵」という小学校4年生向けの学習帳に出てくるものです。
塩田にはこうした民話が数多くあって、「塩田平の民話」という本もあります。100もの民話が掲載されています。
子どもたちをため池やお寺、お宮に連れて行って、歴史などの解説をするのですが、一番喜ぶのはこうした民話を話して聞かせることですね。
歴史を後世に伝えていくのも大切ですが、昔から伝わるお話も忘れないでほしい。(F森)

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