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今年も塩田西小学校の周辺でホタル観賞会が開催されました。6月15日の日曜日。塩田まちづくり協議会西塩田支部の主催です。
甚・Sugarさんから写真をいただきました。
学校の玄関前の橋には、子どもたちが作った灯籠も並べられ、夜が更けると、その明かりが列をなして、くっきりと浮かび上がります。
それに負けじと、学校の横を流れる追開沢川(おっかいざわがわ)にたくさんの蛍が飛び交って、写真を見ると光の線が無数に写っています。
この塩田西小学校の北側に位置する八木沢地区の湯川ではもっと多くのホタルがいるとの情報がありました。塩田でもこういった光景を見ることのできるところがあるんですね。
ところで、我が家でも窓の外に1匹のホタルが飛んできて、小さな明かりを点滅させることがたまにあります。ちょっと感傷的にもなる光景です。
清少納言の枕草子。「春はあけぼの・・・」に続くのが「夏は夜 月の頃はさらなり。闇もなほ、蛍の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし」。
たくさん光るのもいいし、1匹、2匹もまた良いということでしょう。
清少納言はそう思ったのでしょうが、昔の人は蛍をどう見ていたのか?とちょっと知りたくなったので、調べてみました。
万葉集では蛍が出てくるのが1首だけなんだそうです。防人の夫を亡くした妻の歌で、蛍のようにほのかに光って夫は命を落としたというような意味です。
そして古今和歌集。2首あって、どちらも蛍の光を「燃える」と表現して、自らの恋心を映しています。
では江戸時代に芭蕉はどんな句をよんだか。
「草の葉を落つるより飛ぶ蛍かな」。草の葉の上で光っていた蛍が、するすると葉を滑り落ちたと思った瞬間、飛んでいった というような意味だそうです。
短歌や俳句では、比喩として使われることが多いんですかね。「蛍の光で勉強する」よりはロマンチック。
それはともかく、水路がU字溝になってしまい、昔よりホタルを見なくなったという声をよく聞きます。はかなさの象徴はその光だけにしてもらって、ホタル自体ができるだけ少なくならないようになってほしいものです。(F森)