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10月11日から11月9日まで、北向観音堂では御開帳が行われています。
本坊の常楽寺と北向観音堂の開創1200年記念ということで、安置されている厨子の扉が開いて、前立本尊を目の前で拝めるほか、全くの秘仏である本物のご本尊である千手観音菩薩も御簾越しですが薄っすら見え、手を合わせることができます。
前立本尊の御開帳は、昭和36年(1961)以来64年ぶりということです。この年は、天台宗のトップである天台座主も務められた半田孝淳さんが常楽寺の住職になった年。
そして、本物のご本尊を拝められるのは初めてだということです。1200年前、常楽寺の裏手の火抗から現れ、今の北向観音堂のカツラの木にとまり、京都から祈祷にきていた慈覚大師円仁に「我の仏像を彫って北向に安置せよ」とお告げしました。その円仁が彫った仏像が今のご本尊かどうかは定かではありませんが、薄っすら見えるお姿は、高さ1メートルほどの坐像です。
前立本尊と「善の綱」と呼ばれる五色のひもで結ばれている回向柱がお堂の前に建てられています。参道の階段を上がってきた人たちは、温泉水の手水で手を清め、柱に触れています。
内陣に入って、ご本尊と前立本尊を拝むのですが、写真撮影はご法度。自分の目でしっかりと見て、手を合わせます。
お堂の中の賽銭箱の先には、普段は奥に安置してある千手観音菩薩像があり、こちらは拝観料なしでも拝むことができます(お賽銭は入れますよ)。
今回の御開帳は、半田孝淳さんが常楽寺の住職になられた年に行われたのですが、この年は、もう一つ大きな出来事がありました。
北向観音堂の増改築が完了したのです。今、私たちが見る建物ができた年ということですね。
で、この増改築によって屋根が変わりました。「撞木造り」という建築様式で、善光寺と同じなのです。
南向きで「来世往生」のご利益のある善光寺と、北向で「現世利益」の北向観音堂と「両まいり」するという、関係の深い二つのお寺ですが、撞木造りの善光寺の屋根と同じ様式で屋根を創ったのです。
3枚目の写真の左下が善光寺の屋根で、右が北向観音堂です。「撞木」というのは、鐘をたたく棒で、T字型をしています。屋根を上から見るとT字型になっています。
こんなところもご覧いただきながら、ご本尊、前立本尊を拝んでいただければいいなあと思います。(F森)