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「企画展 午」をやっている常楽寺美術館の紹介、後半です。
今回は、絵を見ていただきます。
最初の写真は、狩野探幽作の「布袋」。三幅対で、真ん中に布袋様、右に馬、左に猿が描かれています。「え! 探幽の絵がここにあるの!」とビックリ。
狩野探幽は、江戸時代初期の狩野派の画家で、狩野派の中でも超ビッグ。徳川家康に謁見して幕府の御用絵師になり、江戸城や二条城、大徳寺などの障壁画を描きました。
この作品に関する企画展の展示解説パンフレットによれば、「狩野派の従来の力強さに加え、やまと絵の柔らかさや漢画の洗練された線を取り入れている。馬を描く際も、社製に基づいた確かな形態把握と、無駄を省いた瀟洒な筆致が際立っている」ということです。
馬も布袋様も猿も、筆でサラッと描いて、細かいところの描写はないですが、それでいて、素人目には、やさしい、ユーモラスというような感じがして、見ていてホンワカします。
2枚目の写真は、右が企画展のパンフレットに使われている「曳馬図」(ひきうまず)。左は「劉備檀渓渡河図」。
「曳馬図」は、「絵馬」ですね。これは、お宮やお寺に願い事や感謝を伝えるために奉納する、馬の絵や干支などが描かれた木製の額に描かれたものです。この絵馬は、二人の神職が暴れる神馬の手綱をとっているところ。江戸時代後半の1795年に奉納されたものだそうです。
左の絵も板に描かれたもの。「三国志」に出てくる「劉備玄徳」が馬とともに激流に飛び込もうとする一瞬の場面を描いたものだということです。光の反射を抑えるため、絵の上の方から写真を撮っているので台形に見えますけど、実際は長方形です。
この板絵は、江戸時代も後半の後ろの方になってきた1818年に、上田の原町に住む赤羽さんが北向観音堂に奉納したものだそうです。上田市の指定文化財になっています。
「上田市の文化財」というサイトの解説では、「昭和時代、ある陶芸家がこの板絵を北斎筆と判定したため、それ以来、それが定説になってしまいました。しかし全体の筆法や描画の画風から、北斎筆であるかどうかはさらに精査を必要とします」とされています。葛飾北斎の手によるものかもしれない! この頃の北斎は60歳ちょっと前。「北斎漫画」を手掛けた頃でいろんなところで絵を描いていたでしょう。可能性はある!
この企画展では、クイズもやっています。真田町の実相院にある「千馬図」に関するもの。無数の馬が河を渡っているところなのですが、一匹だけ別の動物が描かれているということで、その動物の名前を当てるクイズ。当たれば粗品がもらえるとのことで、必死に絵をにらみましたが、わからず。誰かに当ててほしい。
それから、美術館では常設展示している作品もあわせて置いてあり、一部の写真を最後に載せました。左から常楽寺や北向観音堂を開いた「慈覚大師円仁坐像」、厨子の中に入った「阿弥陀如来立像」、「地蔵菩薩立像」。このお地蔵さまは、別所温泉にある「将軍塚」のすぐ近くにある「七苦離地蔵堂」の本尊でした。
企画展は、6月いっぱいまでやっています。たくさんの「馬」に会いに来てほしいですね。(F森)