若林醸造は、塩田で唯一酒造りをしています。銘柄は「月吉野」。明治29年(1896年)創業なので、今年で130周年です。
そんな若林醸造で「新酒会」が開かれたので行ってきました。
最初の写真。表から撮った門と母屋の外壁。壁の上に「逆L字」型の中に「万」の文字。屋号の「カネマン」を表しています。130年前に若林醸造を立ち上げた若林万兵衛さんの「万」に、大工道具の曲尺(かねじゃく)の形を組み合わせたんですね。醤油の製造会社などにも「カネ◯◯」という会社名がいくつもあります。
酒蔵の場所は、別所線の中野駅のすぐ近く。初代の万兵衛さんは、別所線の設立にも関わっています。別所線は、開業したのは大正10年(1921)なんですが、それを運営する会社「上田温泉電軌」という株式会社が前年にできました。
万兵衛さんは、その大株主なんです。総株主数577名中7番目の株数を持っていました。
そんな、130年の歴史を感じさせるようなお屋敷の門をくぐって、これも歴史を感じる母屋のお座敷に入ると、先客の方が何人もおいでになり、料理も並んでいます。ちなみに料理の担当は、社長夫人で杜氏のお母さま。薄味のキャラブキが日本酒に合ったなあ。
今回は、会員になった人を対象に行われた新酒会です。庭に面した廊下には、ズラッと酒瓶が並んでいます。若林醸造では、「つきよしの◯◯」や「月吉野」という銘柄が20種以上ありまして、まさか全部ここにあるとは思いませんが、「全部の銘柄は飲めないだろうなあ」。
「何でも、いくらでも飲んでいいですよ」と、あいさつでおっしゃる杜氏。「それでは」とまず向かったのが、昨年、一昨年と全国新酒鑑評会で金賞を取った「つきよしの 真」。
杜氏の若林真実さんは、この会社の社長の次女です。就職して東京などで働いていたのですが、13年前に帰郷して杜氏を目指します。他社に修業に行って戻ってから自分で酒造りを始めます。頼もしい伴侶も得て、たぶん相当苦労したんだろうとは思いますが、そんな顔も見せず(と感じましたけど)次々と新しい酒を出していきました。そして「金賞」。社長の友人として、酒造りを始めた頃から「どんな酒を造るんかなあ?」と気になっていた当方も、うれしかったですね。
この日のお客さんは、県外から来られている方が多く、杜氏も含め酒談議に熱がこもっています。酒は、自分としてうまいかどうかで、飲むのが好きなだけの当方、話の中に出てくる酒造りに関する用語の多くは「?」。でも、別所線に乗って、ここまではるばる来られた酒好きの全国の人たちに喜ばれているっていうのは、味だけじゃなく、造り方とかも納得させる所があるんでしょうね。
残念ながら、今年の新酒鑑評会では3年連続の金賞は逃したようですが、みんなに喜ばれるお酒をこれからも家族みんなで造り上げていってほしいですね。(F森)














