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塩田平にある仏像を仏様の種類(?)ごとに紹介するシリーズ。「薬 最初は、「ハッケン!上田の仏像」展にも出ていた中野の薬師如来。
通称「末木の薬師」です。その昔、弘法大師が塩田に来て、沢山にある柳の木を霊木とみて、根元に近い方で地蔵菩薩、枝に近い方=末木で薬師如来を彫りました。そして、地蔵菩薩は手塚、薬師如来は中野に両方が南北に向き合うように安置したということです。で、手塚のお地蔵さんは「元木の地蔵」と呼ばれて、今は無量寺の境内にある地蔵堂に祀られています。
弘法大師というと、8世紀から9世紀の方です。この末木の薬師、そこまでは古くないようなのですが、それでも平安時代後期の作と上田市教育委員会の調査でわかっているので、11世紀から12世紀ということでしょうか、塩田の中でも結構歴史のある仏像になりますね。
次からの3体は、四国霊場を擬した塩田平の札所のお堂にあるお薬師さんです。
2枚目の写真は十人の薬師堂にある仏像。江戸時代は尼僧がいたのだそうですが、後に村で管理するようになり、公民館で薬師如来などの仏像を安置しています。
今の公民館は平成30年(2018年)に新築された建物で、その一部が「薬師堂」になっています。薬師如来を中心にして、大日如来などほかの仏像も新しいお堂の中で祀られています。
3枚目の写真の左は、鈴子にある薬師堂の内部。薬師如来のほか、弘法大師像や阿弥陀如来千手観音菩薩像が並んでいます。
江戸時代の初めころは来光寺というお寺の境内にあったお堂なのですが、お寺が廃寺になり、お堂だけが残ったということです。
お堂にはガラス戸がはめられているので、外から中の仏像を見ることができます。
右の写真は、別所温泉にある大湯薬師堂の薬師如来です。外湯の「大湯」の奥のちょっと高台にあるお堂です。
薬師堂は鎌倉時代の後期に開かれたもので、もともとは大湯の下にあったのですが、江戸時代に今のところに移したそうです。
その時の藩主仙石政俊公は、大湯がお気に入りで、お風呂に入りながら薬師信仰を篤くしたということです。
本尊の薬師如来をはじめ、脇侍のうち月光菩薩はないのですが、左脇侍の日光菩薩、薬師如来の守り神である十二神将、弘法大師像がずらっと並んでいます。
塩田の仏像では、多分薬師如来像が一番多くあると思うのですが、なぜ多いのか?
やっぱり、病気だとか健康だとか、人々が今生きている中で一番気になっていることを仏さまにお願いするということなのでしょうか。(F森)