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江戸時代の元禄の頃、四国霊場の仏像を塩田に勧請した札所を巡る旅。6回目は八番札所の「獨股山 前山寺」(とっこさん ぜんさんじ)です。
弘法大師が開いたともいわれ、大師が開いた真言宗の智山派に属します。ご本尊は大日如来。鎌倉時代、北条氏が築いた「塩田城」の祈願寺(安全を祈る寺)であり、また、学問所でもあったそうです。で、かつては「信濃四談林」という真言宗の四つの勉強所の一つで、江戸時代には末寺が40余りもあったということで、格式が高いお寺です。
有名なのは何といっても三重塔。薬医門という門を入って真っ直ぐ進むと、一段高いところにそびえています。「未完成の完成塔」と呼ばれますが、「未完成」というのは、普通の塔は、縁という回廊や手すり(勾欄)、扉と窓がありますが、この塔はそれがありません。回廊を作るための貫という角材はあるので、作る予定ではあったようです。でも、こうしたものがなくかえってすっきりして良いという人もいて、「未完成の完成塔」と呼ばれています。
いつきても風情のある姿を見ることができて、春は藤や桜に囲まれた塔。秋は紅葉が素晴らしい。冬も、雪をかぶった塔の前で一人佇んで無我の境地。まあ、塩田は雪があまり降らないので、写真のような数十センチも降ることは滅多にありませんが。
そして、前山寺のもう一つの名物。「塩田スイーツ物語」のシリーズで紹介した「くるみおはぎ」。こちらをご覧ください。
山号が「獨股山」ですが、これはお寺の後ろにそびえる塩田の名峰「独鈷山」のこと。この山の支峰の一つでお寺のすぐ裏手にある「弘法山」という山がありますが、この山頂に奥の院があります。もともとは弘法山を独鈷山と言っていたらしいです。こんな山手のお寺。塩田の平らなところからは標高差約百メートル。のんびり歩いてお参りもよし。私は毎日トレランのトレーニングコースにしてます。(F森)